緊急レポート番外篇

「花と蛇」密着写真集・官能遊戯


 SM物で久々の劇場公開作品となった東映制作の「花と蛇」は大ヒットとなりましたが、それはもちろん内容の良さに加えて、やや露出オーバー気味の宣伝活動があったことは、言わずもがなです。そしてそのひとつとして、劇場公開前の2月21日に東映が出してきたのが「花と蛇/密着写真集・官能遊戯」というDVDでした。タイトルには「密着写真集」とありますが、実際は動画でメイキングというか、撮影現場の状況や完成している公開用の映像を予告篇風に混ぜ合わせたものになっており、もちろん成人指定になっています。その内容は――

 まずパンツ一丁で大股開きの杉本彩に芝居をつける石井隆監督の映像から始まり、そこに今回の製作スタートに関するナレーションをかぶせています。それによると、東映の松田仁プロデューサーが2年前=平成14年に「花と蛇」をやらないか、と杉本彩に持ちかけ、彼女が石井隆監督なら……、という条件でOKという返事から、平成13年正月に石井隆監督の起用が決定、半年後に撮影開始という経緯が明らかにされます。しかし、ここはそういうナレーションよりも、立膝で開脚気味に一人芝居をする杉本彩に目がいきます。この場面は予告篇でもお馴染みの、CG処理によって蛇が彼女の口から入っていく部分にあたり、その完成されたものとの対比が上手く編集で味わえますが、個人的には彼女の股間の膨らみばかりが気になります。それと石井隆監督は流石、眺める角度がツボを突いた場所にいることが分ります。

 続く場面は見せ場のひとつである鍼治療で彼女の身体に鍼が打たれていくところをじっくりと見せてくれます。ここもメイキング撮影用のカメラ映像と、本篇用のカメラ映像を上手く編集してあり、照明の実際の雰囲気と照度を落とした完成映像の違いが興味深いところです。もちろんすでに「緊急レポート第1回」触れたように、彼女の陥没乳首を鍼灸師が指先で揉み出して勃起させ、じっくりと鍼を打っていく部分が堪能できます。この時の杉本彩の悶え声が堪りません! ナレーションによれば「これが芝居なのか……、とスタッフも息をのむ……」とありますが、全くの同感で素晴らしいものがあります。流石の石井隆監督もカットの声を掛けた後、杉本彩に「今の、本物の声なの?」と問いかけてしまいますが、彼女は「……痛いです……、乳首初体験……」とか、照れ笑い気味に答えるところが印象的でした。

 この後も様々な場面のメイキングや完成映像が続きますが、ストリップを強要される場面の羞恥心に満ちた杉本彩の演技を観れば、必ずや劇場版を観たくなると思います。

 またいろいろな縛りの場面でのリハーサル部分の映像も興味深く、鬼源を演じる現役の縄師=有末剛の真剣でクールな物腰、あるいは杉本彩が撮影で本気で苦しんで、カットの声が掛かった瞬間、芝居から開放されて足をバタつかせたりたり、開放された安堵とも、あるいは本気の官能ともとれる表情・様子も観ることが出来ます。

 この様に、現場では実際にかなりハードな撮影が展開されていたようで、ナレーションで流される石井隆監督の談によれば、「なまじ情けをかけて手加減すれば、彼女の頑張りを無駄にするだけ、この現場で苦しめば苦しむほど、スクリーンに映し出された彼女は多くの観客を虜にするはず……」云々ということですが、肝心の杉本彩は「まったくの未体験だし、私は精神的にはMだと思うけど、ここまで肉体的な責めを受けて感じるかといえば、それは別の話……、理解し難いところなんですけど……」云々ということです。つまり、まだ良く分っていないということなのか、それとも照れ隠しでの発言なのか、その辺りも興味深いところです。

 ところでこのメイキングでの映像は必要以上なボカシ入りになっており、ネット版ではほとんど無修正だった例の「ガニ股褌締め〜クイコミ・股縄風責め」等々も物足りなさを感じます。ただしモロ見えだけが良いというものでもありませんし、そのボカシにしても往年のエロ映画で見られたような不粋なものではありませんので、念のため。

 あと、メイキング部分で面白かったのは、杉本彩が刺青のメイクをするところです。裸体の背中にまず下絵をトレースし、スタッフが丁寧に絵具を入れていくところがじっくりと拝めます。この作業は夜の10時から朝まで8時間に及んだとのことで、現場のソファで休んでいる彼女のマネージャーの鼾が聞こえるのはご愛嬌でした。しかし、本来ならここは、物語中で本物の刺青を入れられるという展開にして欲しかったのが本音です。

 また、このメイキングには本篇の見せ場はあらかた入っており、それはSMショーの部分で演じる磔、褌姿で縛られての蝋燭責め、逆さ吊りから水桶に頭部を浸けられるところ等々が楽しめます。そして各場面でのスタッフの動きや表情もしっかりと分ります。ただし、演技以外の部分で杉本彩の笑顔が入りすぎで、ここは編集の拙さかどうか、好き嫌いが分かれるところですが、所々で挿入されている彼女へのインタビューの中では、あの悶えは本気ですか、演技ですかと問われた答えが「両方っ、ふっふっふっ」というところは良かったです。

 それとおまけ的に団鬼六先生のインタビューが一言ついており、杉本彩の静子夫人について感想を尋ねられた答えとして、「自分のはクラシック、こっちは超モダン」云々と述べておられますが、何か物分りが良くて……。

 ということで、他に予告篇のパイロット版がついて収録時間は45分程度です。観ていて特にグッときたのは、彼女の陥没乳首を揉みだすような乳への責めで、何度観てもこの役は代わりたいところでした。また褌系の衣装における彼女への責めも好みでした。さらにこれは、劇場版でもそうですが、完全にAVとは一線を隔する映像の作り方というか、質量感のある絵作りは素晴らしく、皆様にもじっくりとお楽しみいただきとうございます。

 最後に結論として、この作品は発売と同時に初回分が売切れた程ですから、皆様の期待も大きかったはずですが、正直言って、値段ほどの価値があるとは思えません。失礼ながら本篇DVD発売時のおまけ映像程度ではないでしょうか? そして現在公開されている有料ネット版の方が興味深い映像になっていると思います。また杉本彩ばかりで、京子役の未向(みさき)がほとんど登場しないのも減点です。したがって余程のマニアでもない限り、レンタルで見ることをオススメ致しますが、本篇は出来ればぜひとも、劇場でご堪能下さい。後悔されることはないと確信しております。

(2004.04.07 敬称略)