追悼・高村ルナ

 平成16(2004)年3月9日、「昭和」にアイドルとして活躍し、ロマンポルノでの主演作品も大ヒットさせた高村ルナの訃報に接しました。すでに芸能界からは引退されていた彼女ですが、やはり私の世代では忘れえぬものがあり、悲しみに耐えません。

 ということで、以下、簡単に彼女について私なりに書き綴った文章を掲載して、追悼文に代えさせていただきます。

高村ルナ(たかむらるな)

 ご存知のように、彼女はドイツ系のハーフで、高校時代にスカウトされ、昭和43年頃からゴー・ゴー・ガールとしてテレビのバラエティ番組に顔を出しており、翌年にはその流れで同じ事務所に所属していた小山ルミの妹分の扱いとして「ドリフターズ大作戦(日本テレビ)」の6人のカバー・ガールの一人に抜擢されます。この6人が後に混血アイドル・グループ「ゴールデン・ハーフ」に発展するのですが、当時のメンバーはユミ、ルナ、マリア、エバ、マーガレット、ミーでした。

 そして東芝レコードからデビュー・シングル「黄色いサクランボ」を出した昭和45年頃にはユミ、ルナ、マリア、エバの4人組になり、ハーフとしてのお色気とギャグもこなせる芸達者な部分で人気が爆発、夥しいテレビ出演や映画にも顔を出し、またヒット曲も多数放ちました。ちなみにレコード・デビュー前後の一時期、5人組として活動していた彼女達は「野良猫ロック・セックスハンター(昭和45年/日活/長谷部安春監督)」や「ずべ公番長・夢は夜ひらく(昭和45年/東映/山口和彦監督)」に出演しておりますので、気になる方はご確認下さい。

 肝心の高村ルナはもちろんルナであり、華やかなグループ内では一番目立たない存在でしたが、昭和49年のグループ解散後にもバラエティ番組やテレビのアクション・ドラマ等に出演を続け、銀幕にも姿を見せました。

 その中で特に印象的なのが「エスパイ(昭和49年/東宝/福田純監督)」に敵方のエスパーとして出演し、神秘性を湛えた魅惑の微笑みで旅客機のパイロットを惑わせたり、草刈正雄の幼馴染に化けてエスパイ達を危機に陥れました。

 その彼女が主役として出演し、大ヒットしたのがロマンポルノ作品「修道女ルナの告白(昭和51年/日活/小沼勝監督)」でした。なにせ、ついこの間までアイドルだった彼女が脱いで、絡んで、大熱演ですから堪りません。自らが歌った主題歌「天使の朝」の出来も最高でした。ちなみにこの曲に関しては拙稿「魅惑のムード/秘宝館−2」で解説しておりますので、ご一読下さい。

 そして続けて主演した「ルナの告白・私に群がった男たち(昭和51年/日活/小原宏裕監督)」では、芸能界も含めた自らの性体験を基にした内容を自然体で好演し、これまた大ヒット! 男性誌のグラビアや表紙にも多数登場し、また一般マスコミまでが取上げるほど世間を騒がせました。

 彼女の魅力は素晴らしい肉体と、素人っぽい中にも勘の良い演技がリアルだということで、この2本の大ヒット作は、演技には素人の元アイドル達がポルノ作品に出演したり、またグラビアでヌードを公開したりする嚆矢となりました。

 この後の彼女は数本の作品に顔を見せましたが、翌年にはフェードアウトしています。もう少し活躍して欲しかったと、残念でなりません。

 引退後の彼女はハワイに移り住み、現地で結婚し幸せな生活を営んでいたようですが、突然の病魔に襲われ、まだ50代でかえらぬ人となりました。そういえば先日は「ルナの告白」を演出された小原宏裕監督もご逝去されたばかり……。今頃は天国で思い出話をされているのかもしれません。

 衷心よりお悔やみ申し上げます。合掌。

(2004.03.10 敬称略)