プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 好評のうちに5クール目に突入した「プレイガール」には、またまた素敵なメンバーが登場します。それが西尾三枝子で、そのプロフィールは――

西尾三枝子(にしおみえこ)役名:山尾三枝子(通称:みえこ)
 日活のニューフェースとして昭和40年代前半に同社の主に青春物で活躍しておりましたが、「砂の上の植物群(昭和40年・中平康監督)」が印象的でした。もちろん私は後追いで観たものですが、ここでの彼女は見知らぬ男に自分の体を与え、仲の悪い姉を犯すように仕組むという屈折した演技をたっぷりと見せてくれました。この当時の彼女は確か現役の女子高校生だったはずですが、素晴らしい美貌に仄かに漂う翳りがとても魅力的です。また歌唱力も素晴らしく、この頃から歌手としての活動も開始、特に大ヒットはありませんが、昭和46(1971)年の「短い手紙」等の隠れ名曲を残しております(「偏愛音楽館/魅惑のムード秘宝館−2」参照)。その後、徐々にヌードやポルノ路線への出演を求められたことから活動の場をテレビに移し、ついに「プレイガール」のレギュラーとなってその魅力を全開させますが、結局その間に男性誌ではヌードも披露していたので、ぜひとも日活ロマンポルノでも活躍してほしかったと、今でも痛切の想いです。で、その彼女が初登場したエピソードが――

第69話殺しの前に入浴を」:昭和45(1970)年7月27日放送
 監督:井田深
 出演:沢たまき、八代万智子、桑原幸子、高毬子
     西尾三枝子、高城丈二 他

 まずタイトル・ロールが替わっており、水着姿のメンバー各々を一丁の拳銃をモチーフにして紹介する趣向で、テーマ音楽も初期の物に戻っております。ここでは范文雀の色っぽさが個人的には堪りませんが、注目すべきは初登場となる西尾三枝子がすでにこの中でレギュラー扱いとして紹介されていることで、実は今回復刻されたこのエピソードは原版フィルムが所在不明だったため、長らく再放送されなかったという貴重なものだと付属解説書にあることから推察して、もしかしたらこの部分は後の別なエピソードからの転用かもしれません。ただし大信田礼子が登場していることから、第85話までのどこかの物とも推察可能です。

 物語は桑原幸子が他人のバッグを間違えて持ってきてしまったことからスパイ情報戦に巻き込まれという、やや安易なパターンですが、ストーリーの要となる盗聴器の仕掛けとか、人物のすり替え等々はかなり面白いトリックが使われております。

 西尾三枝子は国際警察極東部課長の娘として登場、情報部員の恋人=高城丈二との悲恋を絡めての切々とした演技に翳りある美貌はますます魅力的で、さらにアクションでも派手な活躍を見せてくれます。

 肝心の美味しい場面は、まずホテルの浴室での西尾三枝子の入浴シーンからバスタオル姿が嬉しいところですし、ミニスカの太腿に忍ばせた黄金の拳銃というのも堪りません。アクション場面では海辺にある敵のアジトに潜入するために海から泳いで行くと設定になっておりますが、ここでの彼女は服を脱ぐような素振だけで、実際は服を着たまま海に入るので減点です。

 「プレイガール」達の活躍としては潜入捜査の過程で沢たまきが久々にナイトクラブで歌ってくれますし、アクション・シーンではパンチラ、もちろん高毬子もミニスカで大暴れしますが、桑原幸子がジーパン姿でこれも減点です。彼女は他の場面ではかなり派手なミニのワンピースであられもない格好を見せているのですから、この出し惜しみは残念です。

 あと、このエピソードでは「プレイガール」の事務所が、初期のサイケ調の秘密基地っぽいものから地味な応接間みたいなものに変ってしまいました。このあたりは好き嫌いがあるかもしれませんが、個人的には寂しいものを感じます。

 で、物語のラストにはお約束の悲しい結末から西尾三枝子がメンバーに迎え入れられますが、すでにストーリーの途中からオネエ=沢たまきが彼女に全幅の信頼をよせている事、また他のメンバーも彼女のことを「みえこ」と呼んで仲間扱いしている事から予定調和の雰囲気が濃厚でした。

 最後にエンド・ロールの部分についてですが、初期は早朝の首都高速を走行する車から撮影した風景に哀愁のスキャットによるエンディング・テーマというものでした。また前回「」で紹介した大信田礼子登場篇では、透明なガラス板の上で肉襦袢みたいな衣装をつけて踊るゴー・ゴー・ガールを下から撮影したものにラスト・テーマという、これはいかにも1970年代初頭の雰囲気が濃厚に漂うよう魅力的なものでした。そしてこの時点では沢たまきが歌う「東京プレイナイト」というボサノバ歌謡曲をバックに盛り場ネオン街とグラスを傾ける彼女のシルエットが映るという、ちょっとプロモーション・フィルムみたいな感じですが、先日の彼女の訃報を思うとき、涙無くしては観ることが出来ないシーンです。

 ちなみに「プレイガール」のサントラ音源は現在「プレイガール&プレイガールQ・ミュージックファイル(バップVPCD−81071)」「同Vol.2(バップVPCD−81209)」の2枚のCDに纏められており、残念ながら沢たまきの歌は収録されてはいないものの、山下毅雄の手による素晴らしくジャジーでグルーヴィな演奏を満喫出来ます。特に第1集は廃盤にならないうちに入手することを強くお勧め致します。

(2003.08.26 敬称略・続く)