プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

7

 当時の人気テレビ・アクション・ドラマとしてこれまで度々引き合いに出してきた「キイハンター」と「ザ・ガードマン」の決定的な違い、それは「ザ・ガードマン」は警備保障会社のメンバーが主人公という物語の性質上、シリアス路線から大きく逸脱することがなかったのに比べ、「キイハンター」は基本がスパイ物という荒唐無稽なところから、物語そのものの調子もシリアス物の他にスリラー・怪談、そして喜劇の味が強いものと、毎週バラエティにとんだ作りになっておりました。もちろん「ザ・ガードマン」も夏場にはスリラー・怪談物も放送しておりましたが、やはり製作が大映という折目正しいカラーがウリの会社であったことから、やはりどこまでも正統派で、一方「キイハンター」は面白ければ何でもありという東映製作であったために、思いっきりタガを外した作品も放送されていたのです。そして「プレイガール」もおなじ東映製作ということでその傾向を受け継いでおり、片山由美子初登場篇はドタバタというかギャグ色の強い作りになっております。

第75話男殺し裸の牝猫」:昭和45(1970)年9月7日放送
 監督:井田深
 出演:八代万智子、高毬子
    片山由美子、三原葉子、新井麗子、葵美津子
    由利徹、渡辺篤、辻村真人、団巌、沢田浩二 他

 物語は莫大な遺産残して死去した父親の遺言状開封に立会うために集った三姉妹とその亭主達が巻き起こす欲ボケ騒動の顛末を描いたもので、今回は「プレイガール」達よりも芸達者なゲスト出演者達の好演が楽しい出来です。井田監督は「プレイガール」ではかなりの本数を手がけられましたが、個人的にはこの手のドタバタ物が一番冴えていると感じます。

 ストーリーについてはネタバレがありますので詳しくは書けませんが、ゲスト出演者のうち、まず長女を演じる新井麗子(あらいれいこ)は昭和30年代初期から、主に日活を中心に夥しい作品で手堅く脇を固める好演を残しており、顔を見ればすぐソレと分かる女優さんです。また三女を演じる葵美津子(あおいみつこ)は古くはNHK大河ドラマ「赤穂浪士(昭和40年)」等に出演後、同局のお気に入りとして活躍しておりましたが、昭和44(1969)年頃からは東映異常性愛路線の諸作、例えば「元禄女系図(昭和44年・石井輝男監督)」「江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間(昭和44年・石井輝男監督)」「温泉みみず芸者(昭和46年・鈴木則文監督)」等に出演、さらにその後は日活ロマンポルノで「花弁のしずく(昭和47年・田中登監督)」「団地妻・女ざかり(昭和47年・遠藤三郎監督)」「続・ためいき(昭和49年・曽根中生監督)」等々でも活躍、また東映の「仁義なき戦い・頂上作戦(昭和49年・深作欣二監督)」にも顔を見せていたというように、この当時の銀幕ではかなり隠れた人気があった女優さんです。次女を演じた三原葉子については、いまさら言うまでもないと思うのですが、あえて今回そのプロフィールを簡単にご紹介すると――

三原葉子(みはらようこ)
 昭和26(1951)年、新東宝に入社しましたが芽が出ず、「肉体女優殺し・五人犯罪者(昭和32年・石井輝男監督)」でその豊満な肉体を活かしたストリッパーを演じて人気を掴み、以後「人喰海女(昭和33年・小野田嘉幹監督)」「海女の化物屋敷(昭和34年・曲谷守平監督)」等の所謂「海女物」で、当時としては露出度が高いセパレート水着系の衣装でセクシーに熱演して肉体女優のトップに躍り出ました。そしてその後はヤクザの情婦、ダンサー、ヌードモデルという役を連続でこなしますが、「女王蜂と大学の竜(昭和35年・石井輝男監督)」「女王蜂の逆襲(昭和36年・小野田嘉幹監督)」といった主演作での的確で歯切れの良い演技も忘れられません。新東宝倒産後はフリーとなり東映をはじめ各社に多数出演しておりますが、彼女の演技に接する手っ取り早い方法は石井輝男監督作品を見ることで、一時は愛人関係にあったという噂があるほど、そのコラボレーションは絶妙、いずれも脇役ですが、時にはしたたかな情婦、時には子供と生き別れになり悲しみに暮れるホステス、またある時はセクシーで脂っこいおばちゃん等々、巨乳系グラマーな肢体を充分に活かしたツボを外さない好演を見せてくれます。昭和40年代の彼女は熟女の域での活動でしたが、それを逆手にとったクドイ演技から笑いをとる部分まで幅広い芸風を確立しており、このエピソードでもそれがたっぷりと味わえます。

 男優陣では言わずもがなの由利徹、ここでは三原葉子の亭主役として情けなさ全開の笑いを振り撒いておりますし、辻村真人は声優としての活動が有名ですが、ここではダメなヤクザの親分として新井麗子の尻に敷かれっぱなし、そして「不良番長(梅宮辰夫主演・東映)」シリーズ等でおなじみの巨漢・団巌は葵美津子の同棲相手のプロレスラーという役になっております。そして弁護士役の渡辺篤は黒澤明監督作品の常連として活躍した個性派俳優ですが、戦前はコメディアンだったそうです。

 というような一癖あるメンバーが勢揃いするのが岩手県の牧場で、「プレイガール」からは八代万智子と高毬子が保険会社から依頼を受け、遺言状開封の立会人としてそこへ向かいます。そしてその牧場を守っているのが、富豪の父親の最後を看取った養女の片山由美子という設定です。ここでの彼女は女だてらにカウボーイ・スタイル、馬に跨りライフルを撃ちまくるという活躍、もちろんエッチなサービス・カットも演じてくれました。その彼女のプロフィールは――

片山由美子(かたやまゆみこ)役名:片岡由美子(通称:ゆみこ)
 東映児童研修所に所属して子役として活動、その当時の代表作は横山光輝原作による東映特撮の「ジャイアント・ロボ(昭和42〜43年・NET=現・テレビ朝日)」でした。その後昭和43(1968)年に東映ニューフェース入り、数本に端役で出演した後、翌年には主役の由美てるみが失踪したことから「徳川いれずみ師・責め地獄(昭和44年・石井輝男監督)」に代役として抜擢され、刺青、レズビアン、貞操帯等々の猟奇的演出を若々しい肉体で見事にこなして注目されます。彼女の魅力は何と言っても大きな目と厚めの唇で、不貞腐れているようでも憎めない純情を滲ませることが出来る演技力だと、私は思います。それが上手く発揮されたのが菅原文太主演の「関東テキヤ一家・喧嘩仁義(昭和45年・鈴木則文監督)」における悪玉の情婦役で、劇中で一言の台詞もありませんが、悪企みをしている悪漢達の横で下品に化粧を直したり、かなりシビアな話し合いをしている菅原文太の横にミニスカで突然登場してのパンツ見せ等々、美味しいところを全部持っていってしまうような名演でした。また梶芽衣子主演の「女囚701号・さそり(昭和47年・伊藤俊也監督)」でレズ地獄に落とされる女刑務官も印象的です。個人的にはとても好きな女優さんで、和製ブリット・エクランドと言ったら言い過ぎでしょうか……。

 さてお待ちかねの劇中での美味しい場面ですが、まず冒頭で遺産に関する遺言状の存在を知って狂喜する葵美津子がパンツ一丁、乳丸出しで団巌に抱き付き、所謂「駅弁」スタイルを披露、しかもその後に大股開きでベットに投げ出されてサブ・タイトルが出るという嬉しい趣向があります。また新井麗子と三原葉子が姉妹喧嘩の挙句に両者とも尻をまくり、おばちゃんパンツを丸出しにしてみたり、取っ組合いの場面では三原葉子が黄色いブラ&パンツで大暴れという場面まであります。

 お目当ての片山由美子は新井麗子から貰ったセクシーな下着に着替える場面がまず嬉しく、そこではベットの下に潜んでいた由利徹が彼女の脱ぎ捨てた古いパンツに執着を見せるところはお約束でした。そしてハイライトは谷川での水浴びで、ここではもちろん全裸、乳首もボリュームのある乳も、尻のワレメまでもばっちりと拝めます。それにしても夜9時からのテレビ放送でありながら、全裸で大きな岩の河原を駆け回ったり、平泳ぎをする彼女をかなり長時間見せてくれるのは、いかにも当時の雰囲気! 現代では絶対に無理と思われます。また悪漢に捕らわれて縄姿という場面もあり、アクション・シーンでは投げ縄を駆使して大活躍します。

 肝心の「プレイガール」のメンバーはというと、相変わらず八代万智子の美脚に目が奪われます。ここでの彼女はミニスカ&ショート・キュロット姿ですので、各場面ともかなり美味しいアングルで狙われており、じっくりと楽しむことが出来ます。また高毬子もアクション・シーンでは当然ミニスカですので、パンツ見せはこちらの期待を裏切りません。

 で、事件解決後のお約束として、片山由美子は八代万智子に憧れて強引に東京について行くことになりますが、彼女の場合、劇中では「プレイガール」の正式メンバーではなく、八代万智子が営業している「五代万智子探偵事務所」の助手というのが正式な肩書きだと、付属解説書にありました。尤もその辺りは八代万智子もそうですが、「プレイガール」とのはっきりした線引は無く、いつもそこに入り浸っているような雰囲気になっておりましたから、別にこだわる必要も無いのですが。

 あと、片山由美子が八代万智子に連れて行ってくれるように頼み、八代万智子が何度も拒絶して「メッ」と叱る場面ですが、私にはこれが若山富三郎主演の東映劇場用作品「極悪坊主・飲む打つ買う(昭和46年・斉藤武市監督)」で彼女が見せた演技と重なってしまうのです。ここでの彼女は「まぼろしお銀」という女賭博師であり、後半では警察署長のオメカケさんになるのですが、そこでデレデレする警察署長=遠藤辰雄を「メッ」といって叱るので、ここは「プレイガール」で見せた演技のパロディなのかと勘ぐってしまいました。もしかしたら彼女が他の出演作品でも度々見せた得意技なのかもしれません。ちなみにこの「極悪坊主・飲む打つ買う」での彼女は最高で、賭場では太腿からさらにその奥までも見せて壷を振り、勝負に負けて若山富三郎に抱かれる場面では艶っぽい官能美がたっぷり、その他の場面でもお色気満点のしなやかな演技を見せてくれますので、彼女が気になる方はぜひにもご覧いただきたい作品です。

 ということで、「プレイガール」はメンバーがますます充実、片山由美子は最終回まで出演し、毎回身体を張った演技でエッチ場面からアクション・シーンまで視聴者を楽しませてくれましたが、個人的にはこの時期から昭和48(1973)年いっぱい位までが同番組の全盛期だったと思います。

(2003.08.28 敬称略・続く)