プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 22人の魅力的なメンバーが登場した「プレイガール」ですが、個人的には片山由美子が登場した後、第75話〜第100話位までの、沢たまき、八代万智子、桑原幸子、高毬子、浜かおる、大信田礼子、西尾三枝子、そして片山由美子という布陣が一番強力だったと思います。しかし、大信田礼子が第85話を最後に降板すると、失礼ながら平均年齢がやや高くなり、それを補うためかどうか、新メンバーはおそらくはまだ十代だったであろう深田ミミが抜擢されます。その彼女のプロフィールは――

深田ミミ(ふかだみみ)役名:田村ミミ(通称:ミミ)
 実は彼女についてはよく知りません。どうやら雑誌のモデルをやっていたらしいのですが、個人的には「プレイガール」に出演している彼女を知ったのが最初です。当時の一般的な認識もそんな感じだったと思いますが、レギュラー出演してからは愛くるしい面立ちとピチピチした肉体でたちまち人気を獲得し、男性誌を中心としたグラビアにも頻繁に登場するようになりました。「プレイガール」以外の映像作品では「温泉おさな芸者(昭和48年・東映)」に出演していることになっておりますが、記憶に無く、また私は未見ですが、永井豪原作による特撮変身ヒーロー物「バトルホーク(昭和51〜52年・東京12ch=現・テレビ東京)」でも活躍、これを最後に引退されたと、付属解説書にありました。というように芸能活動は短期間でしたが、記憶に残る女優さんのひとりだと思います。ちなみに「プレイガール」には第102話、第107話にゲスト出演してからのレギュラー入りで、最終話まで出演しております。

第111話おんな北海流れ者」:昭和46(1971)年5月17日放送
 監督:内藤誠
 出演:沢たまき、八代万智子、高毬子、浜かおる
     深田ミミ、岡田真澄、潮健児、六本木はるみ 他

 深田ミミが「プレイガール」に仲間入りするエピソードは、どちらかというとギャグ調の味付けになっておりますが、そこは「不良番長(梅宮辰夫主演)」シリーズを東映のドル箱に仕立て上げた内藤監督がノリにノッていた時期に手がけられただけあって、笑って泣かせるスマートな演出が冴えた、素晴らしい出来だと思います。

 物語は両親がすでに亡く、祖父にも死に別れた深田ミミが北海道は知床から上京し、たった一人の身内である兄を探す部分と、「プレイガール」達が続発するゲイ・ボーイの失踪事件を調査する部分が平行して描かれ、それをリンクさせるのが岡田真澄=ポール・日の本と名乗るスカウト・マンという展開です。もちろんその事件の陰にはヤクザが暗躍しており、深田ミミの兄=六本木はるみはゲイ・ボーイだったというオチは簡単に推察出来るところですが、各々のシーンがとても洒落た演出で、しかもテンポ良く繋がっていくので観ていてダレません。

 例えば沢たまきと岡田真澄が良い雰囲気になる場面の粋な会話とお洒落な画面構成、そして潮健児を筆頭にチンピラ達のドジとマヌケのダメさ加減が痛快です。そして「プレイガール」達がそのチンピラを追いつめた場面では、丘の向うから数え切れないほど多数のチンピラ仲間が登場してくるところは「不良番長」シリーズでもお馴染みの演出で嬉しくなりました。

 また六本木はるみは当時現職のゲイ・ボーイだったということで、その演技にも違和感が無く、愛と哀しみを強く感じさせる名演でした。内藤監督は自身の演出作品にこういう本物を出すのが得意らしく、「不良番長」シリーズでは本物の暴走族を走らせていましたし、その他、ロック・バンドでは大ブレイクする前のキャロルを「番格ロック(昭和48年・山内えみこ主演)」に出演させていたので要注意です。

 それとチンピラ役の潮健児は東映作品では常連で、例えばこの時期では若山富三郎主演の「極道」シリーズの輝男であり、テレビ特撮の「悪魔君(昭和41〜42年・NET=現・テレビ朝日)」ではメフィストの弟であり、「河童の三平(昭和43年・NET=現・テレビ朝日)」ではイタチ男を演じていたという、皆様必ず一度はお目にかかっているはずの、顔を見ればすぐ分かる名物脇役です。

 肝心の美味しい場面としては、今回も八代万智子の素敵な脚線美がローアングルでじっくりと楽しめますし、彼女がヤクザの事務所の地下室に潜入した場面では、見張りのチンピラをキスで篭絡してから空手一発で気絶させ、猿轡が無いので自分のブラジャーを外して代用する場面が非常に羨ましいところでした。しかも、そのチンピラが仲間に助けられ、猿轡のブラジャーを外されると、口にはセクシーなパンティーが押し込まれていたという、全く見せていなかったものが突然現れる「そんな馬鹿なっ」という内藤演出の真骨頂が出てしまいます。

 またアクション・シーンでは八代万智子や浜かおるのパンチラ&太腿見せが全開しますが、ナイトクラブ店内での格闘においてはピアノの鍵盤が巧みに使われていて、スマートな笑いを誘います。あと、これは観てのお楽しみとして今回は伏せますが、観ていてあれっと思う演出が、その直後に痛快なオチになる部分もありますし、可笑しいといえぱ、メンバーが事務所で食事をしながら打ち合わせをする場面では、高毬子が何枚も重ねた盛蕎麦を熱心に食べているし、浜かおるはセロリばっかり下品に齧っているという問答無用な演出の連続で、皆様にはぜひともご覧いただきたいエピソードです。

 今回の主役、深田ミミについてはミニスカで捕らわれての縄姿以外、特にエッチな場面が無く残念ですが、ここでチンピラにいたずらされる彼女の嫌がりには、かなりグッときます。特にハンガーを使って手首を縛られているところは、なかなか分かっている演出でした。彼女はムチムチ系なので、こういう場面を観るにつけ、日活SM物あたりで主演してグリグリに縛られ、虐められてほしかったと今でも思います。

 それと実は予告篇ではミニスカで雑巾掛けする彼女の姿をバックからローアングルで撮影したシーンがあり、当然、太腿の裏側から大きなヒップ、あの部分のふくらみまでもが白いパンティ越しに楽しめたのですが、何故か本篇ではカットされているのが大減点です。尤も、この復刻DVDではその予告篇が収録されているので結果オーライなんですが……。あと、彼女は劇中では岡田真澄に拾われて、そのマンションに泊めてもらっているという設定であり、当然関係が出来ているという雰囲気の演出が施されているのですから、そのような場面がぜひとも欲しいところでした。例えばヌードでシーツに包まっている深田ミミの姿とか、シャワー・シーンとかは必須では……。このあたりは劇中での彼女の年齢が17歳に設定してあり、もしかすると彼女の実年齢もそうだった可能性があり、それ故そうした演出が不可能だったのかもしれません。

 あと深田ミミといえばホットパンツというイメージが私の中にはあるのですが、それは彼女がこの番組でホットパンツをトレードマークのように着用していたからなのですが、意外なことに、このエピソードではミニスカかスラックス姿で、その代わりラスト・シーンでは高毬子と浜かおるがビシビシのホットパンツ姿を披露してくれます。それにしてもここで、当時ヒットしていた加藤登紀子が歌う「知床旅情」に合わせてメンバーがダンスをするシーンは、クサミもほどほどの素敵な名場面だと思います。もちろんそれは、物語の悲しい結末を経て深田ミミが「プレイガール」に迎えられるというオチを受けた演出なのは、言うまでもありません。

 最後になりましたが、このエピソードではまた別なタイトルロールを見ることが出来ます。それはメンバーが勢ぞろいする事務所にかかって来た電話をきっかけに、「プレイガール」達が飛び出して行くところをローアングルで撮影したカットからアクション・シーンで各々の紹介が入るという構成で、もちろん全員がミニスカ&ショート・パンツですから堪りません。そしてこの場面では沢たまき、八代万智子、高毬子、浜かおる、大信田礼子の派手なパンチラが拝めます。またエンドロールは「6」でも触れたガラス板の上で踊り狂う美女をローアングルで撮影した、最も時代を感じさせるものに戻っていて、個人的には嬉しいところでした。

 ということで、ここまでがdisc-2に収録されたエピソードのご紹介でした。この後には特典映像としてdisc-1と同じメンバーによる座談会Part-2が収録され、ここでもなかなか興味深いお話が展開されております。例えば、女性スタントマンがいない時代だったので、メンバー全員が実際にアクション場面をこなし、いつも傷だらけだったとか、西尾三枝子が真冬に水中に飛び込んで熱を出したとか、應蘭芳がプールで感電死寸前だったとか、車の爆破シーンでは予定より早く爆発があって桑原幸子が爆死しそうだったとか、その他諸々、いやぁ、現場のご苦労には本当に頭が下がりました。また同じ撮影現場で「キイハンター」はシンクロ(同時録音)だったのに「プレイガール」はアフレコ(音声後入れ)だったので本番撮影中も周囲が騒がしくて、沢たまきが「頭にきたっ」という部分は実感がこもっておりました。そして制作費も厳しく、「プレイガール」の東京12ch(現・テレビ東)は他局の8割がやっとだったという秘話も明かされています。

 締め括りとして、桑原幸子の「プレイガールは劇場用本篇の監督さんが撮っていたので、最近のテレビドラマのカット割りとゼンゼン違う、本物を学ぶ教材にして下さい」という趣旨の発言がありました。本当にそのとおりだと、私も思います。

(2003.08.29 敬称略・続く)