プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 ここからはdisc-3のご紹介です。

 深田ミミの登場によりますます充実する「プレイガール」ですが、彼女と、これまでのメンバーとの年齢差は見た目にも明らかでした。そのため彼女は他のメンバーを○○姉さんと呼び、可愛い妹的な存在となりましたが、実は製作側は密かに彼女と同世代の新メンバーを探していたようです。しかし、それはかなり難航し、そんな中で東映の大久保忠幸プロデューサーに発見されたのが太田きよみでした。その彼女のプロフィールは――

太田きよみ(おおたきよみ)役名:一条きよみ(通称:きよみ)
 彼女は唐突に私の前に現れた印象でしたが、やはり前述したとおり、「プレイガール」でデビューする前に芸暦は無く、普通の女子高生でした。しかし製作者側の望んでいたイメージどおりだったことから女優へ転身、昭和45(1975)年10月19日に放送された「プレイガール」第81話に「篠雪子」名義でゲスト出演、デビューしました。そしてさらに6話分のゲスト出演を経た後、太田きよみとしてレギュラー入りすることになります。それが次のエピソードです。

第113話大菩薩峠の決闘」:昭和46年5月31日放送
 監督:原田雄一
 出演:沢たまき、八代万智子、西尾三枝子、深田ミミ
     太田きよみ、折原啓子 他

 結論から言うと、今回は全く美味しい場面が無い単なるアクション・サスペンスですが、そこに時代劇の面白味を上手く付け加えた作りになっております。

 物語は大菩薩峠の由緒ある神社に奉納されている呪われた小太刀が盗まれ、その探索に「プレイガール」が乗り出して……、という展開です。まず冒頭から翁の面をつけた忍者が登場、神殿に安置してあるその妖刀を盗みますが、そこへ般若の面をつけた巫女が現れ、アクロバットまで取り入れたチャンバラが展開されます。この巫女の正体が、その神社の神主の娘=太田きよみです。

 彼女は剣術と吹矢の修行を積んでいるという設定で、全篇を通して立ち回りをソツなくこなしておりますが、途中、ヤクザが経営するナイトクラブに潜入したところでは、その場を切り抜けるために歌手と偽り、1曲歌ってくれます。実は彼女は「プレイガール」のレギュラー降板後に「橘モナ」として歌手に転身(「偏愛音楽館/魅惑のムード秘宝館−2」参照)するのですが、ここですでに、その方面の活動が模索されていたのでしょうか?

 このように東映は彼女の売り出しにはかなり力を入れていたようですが、この劇中での彼女は無理に厚化粧させられている感じで、せっかくの清楚な雰囲気が壊されており個人的には残念でした。このあたりは深田ミミも同様ですが、彼女の場合は初登場した時の田舎娘丸出しのところから都会的な雰囲気に変化している表れとして、まあ許せる範囲です。この化粧の問題については、他のメンバーとの釣合いをとるための手段だったのかもしれません……。

 で、劇中、前述したようにエッチなところが全くないのですが、それでも沢たまきの本格的なチャンバラの殺陣や深田ミミのはちきれんばかりのホットパンツ姿が見所でしょうか。あと、深田ミミは「プレイガール」事務所の掃除をやっているのですが、それがほとんど片付けになっていないとか、食事の支度の買い物をさせられているとか、八代万智子と西尾三枝子の色気の無いパジャマ姿とか、「プレイガール」達の私生活を垣間見る場面に興味をそそられました。

 ということで、このエピソードは私的観点から言えば、あえて皆様にご紹介する内容が無いのですが、やはり太田きよみは魅力ある存在でした。彼女は劇中で事件解決後、修業の一環として父親から「プレイガール」に預けられる形でメンバーに加わります。そして第194話まで出演し、主に年齢が近い深田ミミとのコンビでドタバタや悪ふざけ、ドジを演じていきますが、降板後は歌手に転身、橘モナから山崎一美と芸名を変えて活動した後、作曲家の曽根幸明と結婚、引退されました。

(2003.08.30 敬称略・参考文献:「魅惑のムード/秘宝館」付属解説書・続く)