プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 お話は前回から引き続き、大物レギュラーの登場ということで、今回はまず宮園純子です。彼女について当時私が抱いていたイメージは「時代劇の人」、何と言っても超人気テレビ時代劇「水戸黄門(TBS)」で演じていた「霞のおしん」という九ノ一役で絶大な人気があったのです。その彼女がそれを降板してまで「プレイガール」にレギュラー出演というのは、ちょっと違和感があり、まさに「なんでだろ〜♪」の世界でしたが、今回の復刻DVDの付属解説書によれば、沢たまきと八代万智子の2人が出演出来なくなった為に急遽出演が決まったという謎解きがありました。彼女については私などが今更言うまでもないのですが、そのプロフィールは――

宮園純子(みやぞのじゅんこ)役名:宮野純子(通称:じゅんこ、じゅんこ姉さん)
 昭和34(1959)年に東映入りした彼女は、時代劇・現代劇・任侠物等々、夥しい数のプログラム・ピクチャーに出演しておりますが、そのいずれもが端役か助演でした。しかし初主演した時代劇「妖艶毒婦伝・般若のお百(昭和43年・東映)」が大ヒット、内容は仇討物でしたが、忽ち続篇とも言える「人斬りお勝(昭和44年・東映)」「お勝兇状旅(昭和44年・東映)」等々が製作されました。また同時期には梅宮辰夫や松方弘樹の相手役として「夜の歌謡」シリーズ等にも出演しておりましたが、やはり彼女といえば和服姿が良く似合い、したがって「不良番長(東映・梅宮辰夫主演)」シリーズでは女賭博師=猪の鹿お蝶であり、テレビでは九ノ一=霞のおしんなのでした。それではレギュラー陣が毎回洋装の素敵なファッションを見せてくれる「プレイガール」ではどうなっていたのでしょうか、それは次のエピソードで――

第171話勢揃いやわ肌仁義」:昭和47(1972)年7月10日放送
 監督:井田深
 出演:沢たまき、八代万智子、桑原幸子、深田ミミ、太田きよみ、渡辺やよい
     宮園純子、高品格 中田喜子 他

 タイトルからも皆様ご推察のとおり、宮園純子初登場の舞台設定は任侠物でした。彼女が演じるのは九州のあるヤクザ一家の一人娘、物語は父親亡き後に一人で組を守っていた彼女の所へ、旅に出ていた代貸が戻ってきて2人は祝言というその直前、愛する男が殺害され、彼女は組を解散して復讐の旅へという発端から、3年後に横浜で密輸事件を調査中の「プレイガール」達と知り合って……、という展開です。もちろん、その時の彼女が身を窶しているのは「女賭博師」ということなので、和服姿が全く違和感無くドラマに溶け込んでおります。実際、今回のエピソードでは「プレイガール」達がなかなか登場せず、宮園純子主演の任侠物が新たに始まったのか? と思わずチャンネルを間違えたと思った人もリアルタイムでは居たのではないでしょうか? はい、実は私でした。

 肝心の「プレイガール」達は中盤から登場、密輸を企むある組に八代万智子と桑原幸子が女賭博師に成りすまして潜入します。そしてその組に宮園純子が仇と狙う男がいるのはお約束で、しかも彼女と八代万智子が、その組の親分に対して自分の身体を賭けてサシの勝負をする場面が見所になっております。もちろんここは八代万智子が宮園純子の窮地を救うためにわざと負けるのは、言うまでもあまりせん。

 それにしてもこの場面は宮園純子の和服姿に対して八代万智子は当時流行していたサファリ・ルックという対比も素敵ですし、なにより2人とも女賭博師は十八番ですから、今観ても非常に魅力的です。そう言えばこの2人は八代万智子主演の劇場用作品「現代女胴師(昭和45年・東映)」で共演していたのでした。こうなったら一刻も早くこの作品をDVD化していただきたいと、決死的に熱望しています。

 さて今回の美味しい場面ですが、まず宮園純子の入浴シーン、と言っても、湯船に浸かっているだけですが、彼女はこういう場面を「水戸黄門」でも演じていたような記憶があります。だとすると、現在では同番組のウリになっている由美かおるの入浴シーンのルーツは宮園純子にあったことになり、意外なお宝かもしれません。

 それと八代万智子が前述した勝負に負けて悪役の親分=高品格に身体をまかせるところでしょうか、和室にピンク色の艶めかしいライティング、枕2つの夫婦布団の側で彼女が萎れて座っている図にはグッときますが、惜しむらくは例のサファリ・ルックを着たままだということで、ここは出来れば寝巻き姿かシュミーズ姿が観たかったと欲張ります。しかし、このあたりはテレビ放送であることと、同番組が各方面から俗悪番組として名指しで批判されていたことから、何らかの規制があったものと推察しております。ですからもちろん、2人の絡みは雰囲気だけですが、それでも大好きな彼女が……、と思うと観ていて興奮します。もちろんその場は高品格の野望が成就することはなく、どういうわけか事の途中で悶絶して気絶する原因不明のオチになっております。

 しかしその後、彼女と桑原幸子は捕らえられ、お約束の縄姿という場面があります。またクライマックスでは「プレイガール」達が大集合、助っ人として殴り込む宮園純子と道行きになりますが、その時の彼女達が揃いの衣装でキメているのに注目です。それは上着が白い武道の胴着を洒落た感覚でデザインしなおしたような物、下は白い極小のホットパンツ、さらに和風の花柄が入った脚半がブーツ状に見えるという素敵なファッションで、そこに個人各々のお洒落感覚でスカーフや羽織まで纏っているという凝ったものでした。またアクセントとして「プレイガール」のトレードマークともいえるピンクのキスマークが上着にあしらわれており、離れたところから全身を眺めると、ミニドレス風にも見えるという嬉しいものでした。そしてここでの八代万智子の脚線美は本当に素敵ですし、深田ミミのムチムチした太腿も堪りません。失礼ながらこの2人の魅力がダントツでした。ただしこの後の格闘シーンでは、メンバー全員が大ハッスル、派手にキックを繰り出したところをローアングルで撮影しているのは言わずもがなです。ちなみに付属解説書によれば、この衣装は第134話で使われたものの流用だそうで、結局それとこのエピソードの2話でしか着用されなかったのは残念です。

 こうして一件落着後、沢たまきに説得され宮園純子は「プレイガール」に草鞋を脱ぐことになりますが、その後のラストシーンでは彼女の口上とメンバー勢揃いの挨拶があり、ここは歌舞伎というか芝居というか、全員和服姿で花吹雪までもが舞うという遊び心たっぷりの演出になっております。こういう場面をわざわざ入れたのは、それだけ宮園純子が当時バリバリの看板だったことによるものだと思います。ちなみに彼女は第248話の八代万智子の復帰を待ってから「水戸黄門」のレギュラーに戻ります。そしてそこでは昭和53(1978)年まで再び「霞のおしん」を演じ、劇中では夫婦役の「風車の弥七=中谷一郎」の子供を身籠ったという設定で降板しますが、実生活でもその頃に結婚・妊娠という事情があり、それを反映させた見事な引き際は、いかにも彼女らしい颯爽としたものでした。

 最後になりましたが、今回もタイトル・ロールが替わっています。それはメンバー各々を格闘場面で紹介していくもので、見所としては太田きよみの派手なパンチラぐらいしかないという、それほど凝った作りではありません。その格闘シーンにしたところで、これまでのエピソードからの流用という雰囲気で、このあたりにも当時の制作費の厳しさが窺い知れます。しかし、そうした中でもスタッフや出演者の頑張りによりシリーズは快調、次回も大物レギュラーの登場篇ご紹介です。

(2003.09.01 敬称略・続く)