プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 いよいよ「プレイガール」も佳境に入ってまいりました。今回も大物の初登場篇となります。

第199話女は裸に命を賭ける」:昭和48(1973)年1月22日放送
 監督:加島昭
 出演:沢たまき、八代万智子、西尾三枝子、深田ミミ
     高毬子、八並映子、室田日出男 他

 シリーズをとおして、遊びに行った先では必ず事件に巻き込まれている「プレイガール」達ですが、今回もそのパターン、舞台はある海辺のホテル、そこでマジック・ショウの最中に突然ステージの床が抜け、女マジシャンが奈落へ転落、消失します。そしてそれを見ていた八代万智子と深田ミミが調査に乗り出して……、という展開です。

 物語は海に沈んだ密輸金塊に関するギャング団の暗躍に、水中マジックを得意とするマジシャンが利用され、なんとかそこから逃れようとする部分のサスペンスと、消失した金塊に関する推理的部分、そして「プレイガール」達の活躍が上手く絡んでおり、特撮やサービスカットもたっぷりあるという充実した仕上がりになっております。

 八並映子はもちろん女マジシャンとして登場、アクションも美味しい部分もしっかりと演じてくれました。その彼女のプロフィールは――

八並映子(やなみえいこ)役名:三波映子(通称:えいこ)
 大映倒産直前、最後の作品となった「悪名尼(昭和46年・田中重雄監督)」の主演女優として、永遠に映画史に名を残す彼女は、昭和44年に大映入社、いくつかの端役出演を経て、翌年からもう大映の看板女優になりました。その出演作品は「高校生ブルース(昭和45年・帯盛廸彦監督)」や「高校生番長」シリーズ等で、彼女の役は所謂「ズベ公」、つまり不良少女なんですが、彼女の場合、この時点で二十歳を過ぎていたので、少女と言うには抵抗があり、まあ、明らかに関根(現・高橋)恵子や南美川洋子が清純派に見えるように演じる悪い女の役でした。もちろん脱いでいたのは言うまでもありません。しかし「ズベ公」とはいっても、後年に東映でブレイクする池玲子や杉本美樹あたりの雰囲気とは微妙に違い、彼女の場合はどこか湿った感覚というか、野放図な中にもマイナーな情感を漂わせた演技が、大映の社風に合っていたように思います。このあたりは私の稚拙な筆では上手く表現出来ず申し訳ありませんが、彼女の主演作品「高校生番長・深夜放送(昭和45年・帯盛廸彦監督)」「同・ズベ公正統派(昭和45年・田中重雄監督)」そして前述した「悪名尼」等をご覧いただきたいところです。特に「悪名尼」では皮ジャンに剃髪したカツラを着用という強烈なキャラで啖呵をきったり大暴れする痛快篇で、あぁ、本当に大映の倒産が悔やまれます。それと特撮物「ガメラ対ジグラ(昭和46年・湯浅憲明監督)」におけるジグラ星人、というかそれに操られ手先になっている地球人の美女が忘れられません。なにせそのスタイルが、最初は美しき身体の線がはっきり分かる宇宙スーツ、次に超ビキニの海女、さらには超ミニスカでアクションという、これ以上無いサービス演技で、まさに特撮物ではお約束の部分をたっぷりと見せてくれました。私は当時、彼女の大ファンでしたので、完全に子供向けになっていたこの作品を観に行って予想以上の露出度に驚愕させられた記憶が、今も鮮明です。しかし大映倒産後にフリーとなり、各社で出演した数本の作品ではいずれもパッとせず低迷し、そこを「プレイガール」の大久保忠幸プロデューサーに誘われての出演となりました。彼女にとってはこれが初めてのテレビドラマだったそうで、まず最初は第185話へのゲスト出演でした。ちなみにそのエピソードでも女マジシャンを演じているそうですが、その時の役と今回の役が同一人物か否かという点について、私は勉強不足で、はっきりと断言することが出来ません。

 さて、今回の見所はやはり八並映子の大活躍で、美味しい場面もテンコ盛りです。まず冒頭から女マジシャン=マルグリット映子としてビキニ系のきわどい衣装で登場、空中で回転しながら炎の輪をくぐるたびに衣装が変わるという演技を披露します。ここは特撮も使われておりますが、その前の側転等は彼女がきちんとこなしております。また彼女のキャリアを紹介する映像では、ビキニ姿で手足を縛られてヘリコプターから宙吊りにされる場面が使われておりますが、これは前述した第185話からの流用、ここもスタント無しで彼女が演じており、実は彼女は学生時代に器械体操をやっていたそうで、その経験がアクション全般に活かされているのでした。

 で、物語は前述した場面で八並映子が人間消失するのですが、実はそれはギャング団の仕掛けであり、もちろん彼女は縛られて監禁、さらにその場へ連行されてきたショウの相方で恋人でもある男の前で鞭打ちの拷問ですから堪りません。しかもショウで着ていたきわどい衣装が剥ぎ取られ、乳が完璧に露出、勃起した乳首までも確認出来るのです。そして小さなベンチのようなところに寝かされて縛られている彼女が途中まで宙吊り気味になり、泣き叫ぶのですよ! ここがとても良い演技でゾクゾクさせられます。う〜む、当時のテレビは本当に過激でした。

 また監禁されている場所から恋人と2人で逃れようとして、超ミニ姿で屋根伝いに脱出行の場面ではローアングルからお目当ての部分を狙われており、またその後のチンピラ相手のアクションでもパンチラがたっぷりとあります。

 肝心の「プレイガール」達の中では、久々に高毬子が助っ人として登場、大ハッスルしますが、今回は深田ミミが美味しい部分の大売出し、超ミニ姿でのアクションでは大股開きの転倒や必要以上に派手なキックでパンツまる見せ状態! ただし、ここはよく観察するとパンストの上からパンツを穿いているので、重ね穿き疑惑があるのは残念です。しかし八並映子を追っての入浴シーンでは、脱衣の場面から美しい彼女の全裸が拝めます。しかもこの場面、DVDならではのきれいな静止画像でじっくり観察すると、彼女の乳首が完全に見えます。それは嬉しいことにピンク色でかなり大きめ、しかも完全に勃起しているという奇蹟のようなプレゼントです。もちろん尻のワレメもバッチリですが、何とそこにはアザというかキズがあり、おそらくそれは劇中での過激なアクションで出来てしまったものと推察しております。それにしても深田ミミ、浴槽に入る前にはちゃんと体や大切な部分を流さなきゃダメじゃないか! いきなりお湯の中に入るから、八並映子が嫌な顔をしているぞ!

 というわけで、その入浴場面での八並映子も当然、全裸ですから、先刻の拷問を受けた時の背中の鞭打ちの跡、つまりミミズ腫れの傷跡をはっきりと見せてくれます。ちなみに彼女は入浴シーンでは、どうせカットされて写らないのだからと、前バリは使っていなかったとか……。

 まあ、それはさておき、この後も彼女の見せ場は続き、悪漢とのアクション場面では特撮のフィルム逆回転を使って低いところから高いところへ飛び上がったりしますが、それだって実際にはかなり高いところから彼女が自ら飛び降りているわけで、このあたりはシリーズでもこれまでに無かった趣向で、非常に新鮮でした。またロープを使ってターザンのような空中移動シーンも見せてくれます。

 そしてクライマックスでは傷ついた恋人とともに冷凍室に閉じ込められ、瀕死で動けない男を助けるために彼女が全裸になり、抱きついて体を温める場面は必死の演技が伝わってきて最高です。また真冬の海の海中シーンや海辺での格闘等々の身体を張った部分と、悲しい結末を迎え恋人の遺骨を抱いた彼女が「プレイガール」のメンバーに誘われる場面での哀切の表情と演技が、絶妙のバランス感覚で表現されていて印象に残りました。

 このあたりは加島監督の演出が冴えていたところですが、実際の現場ではフィルム使用量の削減励行でタメのある芝居が出来ないとか、台詞の言い直しが出来ないとか、かなり大変だったようです。そういえばこのエピソードから深田ミミが役名を「田村」姓から「深沢」姓に変えておりますが、まさか台詞の言い間違いをそのままにしたんじゃないだろうなぁ……。

 そうした裏話の数々は、このdisc-3の特典映像座談会でもいろいろと出ております。中でもスタッフがみんな映画畑で職人気質だったのでVTRには負けたくない、という意気込みでやっていたという件は説得力がありました。また最初の頃はギャラの支払いが遅れて、みんなお金がなかったとか、衣装は自前だったとか、應蘭芳はチャイナドレスのパンツまで同じ布で作っていたとか、そういう苦労話も今は楽しい思い出となっているところが、良い雰囲気でした。

 あと、ここでは應蘭芳が「プレイガール」がきっかけでスカイ・ダイビングの虜になり、現在では日本落下傘連盟理事長を務めているとか、真理明美は孫がいるとか、彼女達の近況に触れている部分もありました。そして最後には、この座談会に登場しなかったメンバーも入れてのマスコミ向けの記念撮影場面があり、あっ、この人は○○○○だっ、という楽しみが追加されております。

(2003.09.04 敬称略・参考文献:「アンヌとゆり子/ひし美ゆり子」・続く)