プレイガ〜ル「Premium Collection Box」の世界

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 ここからはdisc-4、いよいよ最終コーナーに入ります。

 さて「プレイガール」も放送開始から5年目、流石の人気番組も視聴率が落ちてきたのがこの頃らしく、現場では打開を図るべくスタッフの会議が頻繁に行われていたようです。そしてやはり手っ取り早く効果的なのは、お色気シーンの過激さアップと魅力的なレギュラーの投入ということで、このあたりは次のエピソードを紹介する予告篇で、「来週のプレイガールは、いつもよりグッとお色気倍増!」と、片山由美子がはっきりと語っておりました。それがお待ちかね、ひし美ゆり子登場篇です。その内容は――

第217話女は裸になって強くなる」:昭和48(1973)年5月28日放送
 監督:江崎実生
 出演:沢たまき、宮園純子、片山由美子、深田ミミ
     ひし美ゆり子、深江章喜 他

 今回の物語の発端も巻き込まれ型で、伝染病患者と疑われて入院中の深田ミミが、その病院で深夜にある暴力団組長が殺害され、その現場から逃走した医師と看護婦を目撃、そしてそこから「プレイガール」達が乗り出すという展開です。このようにかなり公の場所で発生した重大事件であるにもかかわらず、劇中に刑事等の警察関係者がほとんど登場せず、女だけで事件を解決していくところがこのシリーズの人気の秘密でした。

 ひし美ゆり子はその逃走した看護婦として登場、キャバレーの踊り子に化けて事件を調べているのは何故か? という部分が今回のポイントです。彼女についてはあらためて言うまでもないとは思いますが、その簡単なプロフィールは――

ひし美ゆり子(ひしみゆりこ)役名:菱田ゆり子(通称:ゆりこ)
 「ウルトラセブン(昭和42〜43年・TBS)」でアンヌ隊員を演じたことから、永遠のヒロインとなった彼女は昭和40(1965)年に東宝入社、いくつかの映画やテレビで端役出演した後、前述の「ウルトラセブン」に出演して人気が爆発しました。アンヌ役は当初、某女優に決定していたのですが、ある事情から降板し、急遽彼女が代役に起用されたのでした。それ故にその某女優に合わせて作られていた制服を着用したところ、やや小さめだったので、それが彼女の身体にピチッとフィットしてしまったという嬉しい偶然は、今や伝説となりました。ただ、そのイメージがあまりにも強すぎたためかその後いまひとつ伸び悩み、彼女自身、昭和47年春の「ゴジラ対ガイガン」を最後に東宝を退社し、女優を廃業する決意をしていたそうです。しかし、この頃に男性誌に掲載された彼女のヌードが評判を呼び、傑作「不良番長・一網打尽(昭和47年・東映・野田幸男監督)」に出演、さらに続けて「同・骨までしゃぶれ(昭和47年・東映)」と出演が続きましたが、特筆したいのが「鏡の中の野心(昭和47年・東活プロ〜松竹)」でした。これは独立系プロダクションで作られた成人映画で、東宝を退社した直後に撮影されており、彼女は劇中役名と同じ「堤杏子」名義で出演したと思っていたそうですが、出演者字幕では「ひし見ゆり子」と出ております。内容は戸川昌子原作によるサスペンス物で、成人映画といっても、その部分に期待するとハズレます。もちろん彼女のヌードはありますが、むしろ相手役の荒木一郎との心理的な駆け引きやラストのどんでんがえしが秀逸です。この作品は最近(平成15年)DVD復刻されましたので、機会があればぜひともご覧いただきとうございます。で、以上のような経緯から彼女が再び注目され、「プレイガール」に出演することになったのは同番組のローテーション監督だった江崎実生からの勧誘だったようです。もちろんその狙いはアンヌ隊員としての彼女の潜在的な人気と、当時の脱ぎっぷりの良さだったことは容易に推察出来ることで、初登場の時からその部分は全開しております。

 それはまず、暴力団の秘密アジトになっているナイトクラブにダンサーとして潜入した彼女の姿、もちろんセパレートのきわどい衣装でクネクネと腰をふり、綺麗な腋の下を見せてくれたり、寝転がっての大股開き等々、セクシーに踊ります。ただし専門家ではないので上手いとは言えません。しかしその素人っぽさが、かえって堪らない雰囲気を醸し出しております。

 続いて全裸のシャワー・シーンがあります。ここは曇りガラス越しの描写ですが、その浴室内には追われている片山由美子が匿われたという設定なので、次の場面では彼女の勃起した乳首がきちんと拝めます。ここは静止画像でその色合や大きさを楽しむのが王道かと思います。

 そしてクライマックスの格闘場面でもミニスカでパンツ見せの大暴れを披露して、期待を裏切りません。しかし、そういうお色気場面に加えて、ここでは本来の持ち味である、どこか優しげな余韻のある演技が印象的で、例えば片山由美子といっしょの芝居の場面ではそれが顕著です。このあたりは東宝と東映の色合の違いが出ているところかもしれません。

 そのひし美ゆり子を助ける「プレイガール」達は今回も大サービス、まず事件をあれこれ推理する場面はお約束の浴室で、宮園純子、片山由美子、そして深田ミミが登場し、特にシャワーを使う片山由美子の全身をカメラがなめる様に映し出します。また深田ミミもちゃんとシャワーを使い、ちらりと乳首を拝ませてくれますし、宮園純子も石鹸まみれですが、浴槽内で脚を上げて見せつける様に洗ったりして、ここはかなり下半身を直撃してきます。

 片山由美子はこの後も、秘密の賭場に潜入して勝負に負け、ヤクザに上着を裂かれて質量感のある乳と大きく勃起した乳首を見せてくれます。ここであえて特筆しておきたいのは、「プレイガール」では乳首を見せてくれる時は必ずと言ってもいいほど、それが勃起状態だということで、こういう拘りには物凄く好感が持てます。

 もうひとつの彼女の見せ場は、事件解決のためにある男を誘惑する場面で、ベットに横たわりストリッパー紛いにセクシーにストッキングを脱ぐところは、「あんたも好きねぇ、ちょっとだけよ……」という台詞があり、実はこれは、当時人気があったドリフターズの公開バラエティ「8時だよ、全員集合(TBS)」における加藤茶の持ちネタの使いまわしギャグでした。そういえば両番組とも、当時は俗悪番組の最右翼として挙げられていたのでした。

 深田ミミは前述の入浴シーンの他に、意外に可愛いパジャマ姿、そして格闘場面ではピチピチのホットパンツで素敵な太腿、大股開きのキック等々、今回も嬉しい場面を見せてくれました。

 それとやはり宮園純子! 秘密の賭場では着流しの女賭博師に扮してイカサマを暴き、その後の立ち回りも颯爽として大活躍しますが、この回では彼女のハイセンスな洋装も見所です。

 以上のような見せ場があった後、お約束としてひし美ゆり子は「プレイガール」のメンバーに加わり、最終回直前の第286話まで出演しますが、個人的には「プレイガール」の中ではいまひとつキャラが確立していなかったと思います。しかし彼女の登場の効果は絶大で、それまで一桁に落ち込んでいた視聴率が、このエピソードは17%にまで回復したそうです。ちなみに彼女が最終回に出演しなかったのは長い間謎とされてきましたが、ノーギャラ出演と言われ、レギュラーの大部分が出演拒否したために同調したところ、いつのまにか自分だけが取り残されていたというのが真相だと、彼女の著作「セブンセブンセブン(小学館)」で明かされております。

 ということで、息を吹き返した「プレイガール」はこの後1年4ヵ月続きます。そして充実したエピソード、楽しいお色気場面、素敵な女優さん達の大活躍等々、スタッフの頑張り共々、最後の一花を咲かせていくのでした。

(参考文献:「セブンセブンセブン/ひし美ゆり子」「アンヌとゆり子/同」)

(2003.09.06 敬称略・続く)