プレイガール / 追悼・沢たまき

 平成15(2003)年8月9日、参議院議員というよりも、プレイガールのオネエ=沢たまきの訃報を聞いて眩暈がしました。きしくも前日の8日は彼女が主演したテレビドラマ「プレイガール」の復刻DVDのボックス・セットが発売された日でした。彼女が議員宿舎内の浴室で変死体となって発見されたのが9日の午前3時、おそらくその時刻には、世界中の「プレイガール」ファンが溌剌と画面の中を躍動する美しき彼女の姿に随喜の涙を流していたであろうと……。

 沢たまきは昭和30年代前半の大学生時代からジャズ歌手として活動し、その退廃的なムードを生かしてジャズ風歌謡曲の開拓者となりました。「ベッドで煙草を吸わないで」「カスバの女」等は、皆様、一度は耳にしたことがあろうかと思います。

 したがって映画に出演する際もやや翳りのある女役が印象的で、後追いで観た日活作品の宍戸錠主演による「皆殺しの拳銃(昭和41年)」でバーのマダムを演じた彼女は最高でした。

 しかし、やはり私の世代では、「プレイガール」のオネエです。

 今回発売されたDVDセットの特典映像には、彼女をはじめ、真理明美、桑原幸子、鷹蘭芳による座談会の模様が収録されておりますが、はっきり言って本篇での溌剌とした若き日の映像に痺れた後では、現在の彼女たちの姿は観ていて厳しいものを感じました。しかし、それを観ていた途中で接した彼女の訃報には本当に信じられないという思いが胸いっぱいに広がりました。泣けてきました。

 「プレイガール」と言えばやはりパンチラ・アクションです。その座談会の言によれば、それは沢たまきが看護婦姿でのアクション場面で、監督から足蹴りをするように演技指導され、その衣装のままでは出来ないのでスカートを両手でたくし上げて、えいっと足を上げたらパンツが! そしてそれが放送されると直後から大反響となったために、次回からは必ずその場面が設定され、さらにロー・アングルに進化して私達の目を楽しませることになったのだそうです。

 リアル・タイムの青春に良き思い出を残してくれた彼女、今回のDVD復活には何か因縁めいたものを感じてしまいます。

 心からご冥福をお祈り致します。

(2003.08.09 敬称略)