the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1964 part 13

■Ready, Steady, Go (Decca LK4577 = UK Compilatino 12"LP:mono)
発売日:1964年1月14日(英)
A-1 Twist And Shout / Brian Pool And The Tremeloes
A-2 Just Like Eddie / Heinz
A-3 Itty Bitty Picees / The Rockin' Berries
A-4 Money / Bern Elliot And The Fenmen
A-5 Come On / The Rolling Stones
A-6 Yes I Do / Pete Macilaine And The Clan
A-7 Forever / The Mojos
A-8 Secret Love / kathy Kirby
B-1 I Wanna Be Your Man / The Rolling Stones
B-2 The Hitch Hiker / The Chucks
B-3 Apple Jack / Jet Harris And Tony Meehan
B-4 Country Boy / Heinz
B-5 I'm With You / The Big Three
B-6 Kansas City / Peter jay And The Jaywalkers
B-7 Dragon Fly / The Tornadoes
B-8 Do You Love Me / Brian Pool And The Tremeloes
 これも前年にデッカ・レコードから発売されたオムニバス盤「Thank your Luck Stars Vol.2」と同様、当時のイギリスで人気があった芸能テレビ番組とタイアップした企画盤です。
 収録されたストーンズの2曲は、前年に発売された彼等の 1st & 2nd シングルA面曲で、もちろんそれと同一のテイクが使用されています。
 ちなみにストーンズはこの番組に何度か出演し、その映像もビデオ化されて発売されていますが、この時点で同番組に出演したことがあったか否かは不明、個人的には出ていなかったと思うのですが……。

The Rolling Stones (Decca DFE8560 = UK 7"EP:mono)
発売日:1964年1月17日(英)
A-1 Bye Bye Johnny
A-2 Money
B-1 You Better Move On
B-2 Poison Ivy
 ストーンズ初の4曲入りEP盤で、モノラル仕様です。言わばミニ・アルバムという扱いでしょうか。全て新曲で構成されていますが、それは黒人R&Bのカバーばかりです。これらの楽曲が当時のイギリスで、どの程度知られていたのかは不明ですが、その選曲センスは、なかなかマニアックというか、思わず聴いてみたいと思わせるものです。
 このEPはアメリカでは未発売で、収録曲はリアルタイムでは発表されませんでした。
 また、2004年春に発売された「Singles 1963 - 1965」は、ストーンズが出したシングル盤をCDに模し、各々2曲入りの紙ジャケット仕様で12枚組という凝った仕様でしたが、このEPも4曲入りとして、そのまんま復刻されています。

Bye Bye Johnny : original mono-mix
作者:Chuck Berry
製作:Eric Easton
録音:1963年9月14-15日、ロンドンのキングスウェイ・スタジオ
 ロックンロールの大御所=チャック・ベリーが1960年に発表した作品のカバーで、タイトルからも推察出来るように、名曲「Johnny B. Good」の続篇という楽しいナンバーです。
 ストーンズのバージョンはストレート・コピーというか、キース・リチャーズが十八番のチャック・ベリー風ギターをメインに据えた痛快な仕上がりになっていますが、ブライアン・ジョーンズのカウンター気味のアクセントがあるリズムギターや猥雑な味のあるミック・ジャガーのボーカルが、他にバンドには感じられないアクの強さで、魅力的です。
 ちなみにこの曲は1972年12月に米国ロンドンレコードが主導して編集したアルバム「モア・ホット・ロックス」に収録されて発売されるまで、アメリカでは未発表でした。そして実は、その年夏のアメリカ巡業では思い出したように度々演奏され、観客を熱狂させています。それは多くの海賊盤に記録されていますが、何かそのアルバム発売予定との絡みがあったのでしょうか……。
 このEP盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = CD
●Singles 1963 - 1965 = CD

Money : original mono-mix
作者:Berry Bordy Jr. & Janie Bradford
製作:Eric Easton
録音:1963年9月14-15日、ロンドンのキングスウェイ・スタジオ
 当時のアメリカのヒットチャートで主流だったのが、黒人レコード会社のモータウン及びその系列レーベルから発売されていたR&B作品で、これもそのひとつです。オリジナルは黒人歌手のパレット・ストロング:Barrett Strong が1960年にヒットさせたもので、イギリスのバンドの多くがカバーしていますが、一番有名なのがビートルズのバージョンでしょう。
 ですから、ここに収められたストーンズの演奏は、嫌でもビートルズと比べられる運命にあるのですが、これがなかなかの迫力! 猥雑なミック・ジャガーのボーカルと黒〜いハーモニカをメインに据えたギトギトのバックの演奏がゴッタ煮状態で、強烈な味があります。どっちもカッコイイ! というのが正直な感想です♪
 しかしこの曲もまた、1972年12月に米国ロンドンレコードが主導して編集したアルバム「モア・ホット・ロックス」に収録されて発売されるまで、アメリカでは未発表でした。
 このEP盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = CD
●Singles 1963 - 1965 = CD

You Better Move On : original mono-mix
作者:Arthut Alexander
製作:Eric Easton
録音:1963年9月14-15日、ロンドンのキングスウェイ・スタジオ
 独特の泣き節で隠れ人気がある黒人R&B歌手のアーサー・アレキサンダーが、1962年4月に放ったヒット曲のカバーです。曲調はズバリ、せつない系の甘さがあり、ストーンズは生ギターや厚みのあるコーラスを用いて、ミック・ジャガーの泣き節を上手く引き立てた演奏を聞かせています。
 オリジナル・シンガーのアーサー・アレキサンダーはアメリカのアラバマ州で活動していたローカル歌手でしたが、自作自演の才能があり、この曲を地元のスタジオで吹き込んだ後、大手のドット・レコードから全国発売されてヒットとなりました。聴いてのとおり南部で作られたわりには、あまり黒っぽくないところがヒットした要因だったと思われます。実際、米国ではポップス歌手としての扱いで、その後も小ヒットを出していますが、イギリスではリアルタイムでかなりの人気があったようで、多くのバンドや歌手がアーサー・アレキサンダーの演目をカバーしており、中でもビートルズが1stアルバムでカバーした「Anna」は有名です。
 それにしても、この曲のせつない雰囲気は絶品で、所謂マージービートに漂う、どこか胸キュンのフィーリングと繋がるものがあり、その意味でアーサー・アレキサンダーは歴史上の作曲家・歌手なのかもしれません。
 ちなみに、このEPが発売されなかったアメリカでは、この初出から1年10ヶ月後の1965年11月に発表された米国独自編集アルバム「デッセンバーズ・チルドレン」に収録され、陽の目を見ています。
 このEP盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●Deceber's Children (London LL3451 = US 12"LP:mono)
●Deceber's Children = CD
●Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Singles 1963 - 1965 = CD

Poison Ivy (short version) : original mono-mix
作者:Jerry Leiber & Mike Stoller
製作:Eric Easton
録音:1963年9-10月 or 11月、ロンドンのキングスウェイ・スタジオ
 ストーンズの全員が大ファンだったという、アメリカの黒人R&Bグループ=コースターズ:Coasters が1959年10月に放った大ヒット曲のカバーで、原曲にはオトボケ・ムードも漂っていましたが、ここで聴かれるストーンズの演奏は重いビートと粘っこいエレキギターが出色の、なかなかロック色が濃い仕上がりになっています。
 実はこの曲には基本的に2つのテイクが存在しており、こちらはショート・バージョンというわけですが、アメリカでは例によってリアルタイムでは未発表でした。またCD化にあたっても、いろいろな混乱がつきまとっており、このEP盤以外にオリジナル音源が使われた主な再発は以下のとおりです。
●More Hot Rocks 1 = 1988年リマスターCDのUK盤
●More Hot Rocks 1 = 1989年リマスターCDの日本盤
●More Hot Rocks = 2002年リマスターCD
●Singles 1963 - 1965 = CD

Saturday Club (Decca LK4583 = UK Compilatino 12"LP:mono)
発売日:1964年1月25日(英)
A-1 Them / Ted Heath & His Music
A-2 Do You Love Me / Brian Pool And The Tremeloes
A-3 Do You Know What I Mean / The Vervnons Girls
A-4 Memphis, Tennessee / Dave Berry & The Cruisers
A-5 Apple Jack / Jet Harris And Tony Meehan
A-6 Greenback Dollar / The Marauders
A-7 Dance On / Kathy Kirby
A-8 Fortune Teller / The Rolling Stones
B-1 Say It Again / The Chimes
B-2 Twenty Miles / Brian Pool And The Tremeloes
B-3 Mickey's Monkey / Doug Sheldon
B-4 Go Easy With My Heart / The Lorne Gibson Trio
B-5 Poison Ivy / The Rolling Stones
B-6 I Forget What It Was Like / Karl Denver
B-7 Telster / The Tornadoes
B-8 Bye Bye Birdie / Kathy Kirby
 これまた、当時のイギリスで人気があったラジオ番組「サタディ・クラブ」とデッカ・レコードがタイアップして発売されたオムニバス盤で、番組テーマ曲が冒頭に収められているところがミソ♪
 ストーンズは1963年10月26日の放送に初出演していますが、もちろんここに収録された2曲は番組音源では無く、結局は幻化したものの、実は彼等の2枚目のシングル盤として発売予定になっていたものでした。

Fortune Teller : original mono-mix
作者:Naomi Neville (= Allen Toussaint)
製作:Andrew Oldham
録音:1963年7-8月、ロンドンのデッカ・スタジオ
 ニューオリンズR&B界の大御所であるアラン・トゥーサンが1962年に書いた曲で、オリジナルが誰のヒット曲なのか、勉強不足の私には特定出来ません。というか、このストーンズのバージョンしか知らないというのが本音で、なかなかマニアックなカバーだと思います。
 その演奏はグイノリが見事なダンスナンバー仕立で、当時流行していたモータウン・サウンドからパクッたと思われるタンバリンが印象的です。しかし幾分生硬な雰囲気も漂ったりして、未完成の魅力のようなものがあるのも、また事実です。
 この曲も例によってリアルタイムのアメリカでは未発表で、一応、1972年12月に米国ロンドンレコードが主導して編集したアルバム「モア・ホット・ロックス」に収録されて発売されたのですが、それがCD化された時には妙なバージョンに変えられていたり、また、それ以前にも問題のある加工が施されたバージョンが出たりしています。
 そして、とりあえず、このオリジナル音源が収録された主な再発は以下のとおりです。
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks 2 = 1988年リマスターCDのUK盤
●More Hot Rocks 2 = 1989年リマスターCDの日本盤
●More Hot Rocks = 2002年リマスターCD

Poison Ivy (long version) : original mono-mix
作者:Jerry Leiber & Mike Stoller
製作:Andrew Oldham
録音:1963年7-8月、ロンドンのデッカ・スタジオ
 前述したEP「The Rolling Stones」に収録されていた同曲の別テイクがこれです。録音時期はこちらが早く、したがって未完成かと言えば、そうでもありません。オリジナルのコピーに終始していますが、やはり白人的なライトな仕上がりが逆に魅力になっているのです。ただし全体の出来としては、前述の short version に軍配が上がりそうですが……。
 ちなみにこの曲も、1972年12月に米国ロンドンレコードが主導して編集したアルバム「モア・ホット・ロックス」に収録されて発売されるまで、アメリカでは未発表でしたが、そこにはこの long version が使われました。しかしそれがCD化された時には、またまた妙な変更が加えられたということで、このオリジナル音源が収録された主な再発は以下のとおりです。
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = 2002年リマスターCD


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」

(2006.05.22 敬称略・続く)