the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1964 part 43

■England's Newest Hit Makers (London LL3375:mono / PS375:similitued stereo)
発売日:1964年5月30日(米)
A-1 Not Fade Away
A-2 Route 66
A-3 I Just Want To Make Love To You
A-4 Honest I Do
A-5 Now I've Got A Witness
A-6 Little By Little
B-1 I'm A King Bee
B-2 Carol
B-3 Tell Me
B-4 Can I Get A Witness
B-5 You Can Make It If You Try
B-6 Walking The Dog
 ストーンズのアメリカにおけるデビュー・アルバムです。基本的には Part-3 で取上げたイギリスでのデビュー盤を基にしていますが、A面冒頭にアメリカでのデビュー曲「Not Fade Away」を据え、それと似た曲調の「Mona」を外しています。
 収録音源は全てモノラル・ミックスがオリジナルなので、ステレオ盤は擬似ステレオ仕様、つまり電気的処理によって左右のスピーカーから高音域と低音域が分離して聴こえるようにしたもので、それゆえにステレオ盤のジャケットには「STEREO ELECTRONICALLY RE-PROCESSED」と表記してあるわけです。
 さてストーンズは、このアルバム発売直後の6月1日から約20日間、初のアメリカ巡業を敢行しています。そして同時にテレビ出演やシカゴでのレコーディングも行っていますが、肝心のコンサートはウケたり、ウケなかったりと評価はイマイチだったようです。しかしアルバムの売上げは好調で、チャートでは最高11位にランクされました。
 収録曲中で特に重要なのはB面3曲目の「Tell Me」で、これはアメリカ独自の編集バージョンとなっています。

Tell Me (Fadeout version) : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham
録音:1964年1月後半-2月、ロンドンのリージェント・スタジオ
共演:Ian Stewart (p)
 Part-3 で既に述べたように、アメリカ盤アルバム・バージョンはイギリス盤デビューアルバム収録の同曲よりもフェイドアウトが早くなっています。そしてCD時代の今日では、これが一般化しているという、完全に???の処置なんですが、分かるような気がしますねぇ……。
 このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●England's Newest Hit Makers = CD
●Big Hits (US Compilatino) = CD
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = CD
●Single Collection - The London Years = 2002年リマスターのCD

Tell Me / I Just Want To Make Love To You (London 9682:mono)
発売日:1964年6月6日(米)
 アメリカでの2枚目のシングル盤で、A面はチャート24位まで上がるヒットとなりました。
 このシングル盤A面曲には、またまたアメリカ独自の編集が施されています。

Tell Me (single version) : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham
録音:1964年1月後半-2月、ロンドンのリージェント・スタジオ
共演:Ian Stewart (p)
 アメリカ盤アルバム・バージョンを基に、間奏のギターをカットし、フェイドアウトも尚一層、早めてあります。
 それにしても良く聴くと、緻密なダビング等のサウンド作りも絶妙で、泣きの曲調を完全に活かしたアレンジが見事です。
 日本でも「かわいいキャロル」をB面にして昭和39年9月にシングル盤が発売されていますが、我国でオリジナル・シングル・バージョンが使われたのは、この時だけだと言われています。実際、私のコレクションを聴いてみると、昭和43年に発売された「テル・ミー / タイム・イズ・オン・マイ・サイド(キング TOP1242)」には、アメリカ盤アルバム・バージョンが使われていました。何故このような処置がとられたのかは不明です。
 また一番不思議なのは、1989年に発売された「シングル・コレクション」という、タイトルどおりにストーンズのシングル盤発売曲を集めた3枚組が、2002年にリマスターされて再発された時、何とこの曲がアメリカ盤アルバム・バージョンに差し替えられるという暴挙が! ですから旧盤を持っている人は、けっしてそれを手放してはなりません。
 ただし2004年に発売された「Singles 1963 - 1965」には、ややフェードアウトを早めたこのバージョンが収録されています。
 このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●テル・ミー / かわいいキャロル (キング HIT-388 = JP 7"Single)
●Big Hits (London NP1 = US Compilatino 12"LP:mono)
●Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD
●Singles 1963 - 1965 = CD

参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」

(2006.06.11 敬称略・続く)