the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1965 part 23

■The Rolling Stones Now ! (London LL3420:mono / PS420:similitued stereo)
発売日:1965年2月(米)
A-1 Everybody Needs Somebody To Love (short version)
A-2 Down Home Girl
A-3 You Can't Catch Me
A-4 Heart Of Stones
A-5 What A Shame (album version)
A-6 Mona
B-1 Down The Road Apiece
B-2 Under The Boardwalk
B-3 Pain In My Heart
B-4 Oh Baby
B-5 Little Red Rooster
B-6 Surprise, Surprise
 アメリカにおけるストーンズの3枚目のアルバムで、これまでと同様、イギリスでのオリジナル盤とは異なった編集内容になっています。
 まず「A-6」はイギリスでの 1st アルバム「The Rolling Stones」で、「A-2」「A-3」「A-4」「A-5」「B-1」「B-2」「B-3」は同じく 2nd アルバム「No.2」に収録され、発表されていたものです。
 また「B-5」はイギリスでは5枚目のシングル盤A面曲としてチャート1位の大ヒットとなった素晴らしいブルース! ということですが、しかし、ここでもちゃ〜んと初出のバージョンが1曲と2つの新曲が入っています。
 ちなみにこのアルバムもモノラル盤が本来の姿で、ステレオ盤(掲載画像)は擬似ステレオになっています。しかしこのモノラル盤は案外珍しいのか、私は今もって入手出来ていません。まあ、これも出会いですから……。

Everybody Needs Somebody To Love (short version) : original mono-mix
作者:Solomon Burke, Bert Russel & Jerry Wexer
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1964年10月27日&11月2日、ハリウッドのRCAスタジオ
 楽曲としては既にイギリスでの 2nd アルバム「No.2」で発表されていましたが、こちらは録音日&スタジオが異なる別テイクです。
 ここではその「long versino」で聴かれたモータウン系のベース&リズムのパターンが出来上がっておらず、稚拙なコーラスが目立ち、如何にもリハーサル・テイクという雰囲気がミエミエの未完成品です。何よりも全体の音のミックスが薄っぺらな仕上がり……。
 しかしそれは「long versino」を知っていればこその感想であり、単純にこちらを聴けば、そのサイケ味を先取りしたようなコーラスとか、ラフな部分が勢いに繋がっているリズムのノリは、捨てがたいものがあります。
 このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●The Rolling Stones, Now ! = 2002年リマスターのCD

Oh Baby : original mono-mix
作者:Barbara Lynn Ozen
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1964年10月27日&11月2日、ハリウッドのRCAスタジオ
 ストーンズのカバーの上手さが実感出来る演奏で、オリジナルは黒人女性R&B歌手であり、左利きのギタリストとしても有名なバーバラ・リンが、1964年7月に放ったヒット曲です。
 その原曲はブラスを取り入れた華やかなバックと温か味のある彼女の歌唱が完全に融合した素晴らし仕上がりでしたが、ストーンズはそれをギター中心の巧みなアレンジで変換し、ロック風味を強めた楽しい演奏にしています。
 そしてこの軽くて黒いグルーヴこそが、初期ストーンズの持ち味のひとつだと思います。
 このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●The Rolling Stones, Now ! = CD
●Out Of Our Heads (Decca LK4733 = UK 12"LP:mono)
●Out Of Our Heads (UK LP version) = CD

Surprise, Surprise : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham
録音:1964年5月、ロンドンのリージェント・スタジオ
 チャーリー・ワッツの軽快なドラムスが全体をリードするロカビリー系のオリジナル曲です。ちょっと単調な雰囲気ですが、キメのメロディに当時のマージービートがモロに出た部分があって、ミック&キースとしての曲作りの苦心が窺い知れます。そしてキース・リチャーズのチャック・ベリー風ギターが楽しく、ヤミツキになりますよ♪
 このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●The Rolling Stones, Now ! = CD
●Fourteen (Decca LK4695 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●England's Greatest Hits Makers (London LL3430 = US Compilatino 12"LP:mono)
●Street Fighting Man / Surprise, Surprise (Decca F13203 = UK 7"Single)
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1968 - 1971 = CD

The Last Time / Play With Fire (Decca F12104:mono)
発売日:1965年2月26日(英)
発売日:1965年3月10日(米)= London 9741(画像掲載)
発売日:1965年5月1日(日)= キング HIT485 (画像掲載)
 いよいよストーンズのオリジナル志向が明確になってきたシングル盤です。そしてA面曲がイギリスではチャート1位、アメリカでは9位にランクされる大ヒットになりました。

The Last Time : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年1月10-11日、ロンドンのキングスウェイ・スタジオ&
1965年1月17-18日、ハリウッドのRCAスタジオ
 ブライアン・ジョーンズの弾き出すウネリのリードギターが強烈な会心のオリジナル曲です。一節によると、黒人ゴスペル曲のパクリだと言われていますが、それはそれとして、この元祖ハードロック的なノリは最高です。
 ちょっと聴きにはシンプルな演奏ですが、実はギターが3〜4本重ねられ、タンブリンで強調されたビートも心地良く、最後には絶叫するミック・ジャガーのボーカルという、ヒット曲の王道をきっちり押さえた作りになっています。そして個人的には、ビートルズの「Day Tripper」はこの曲の影響があるのでは? と思うのですが……。
 このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●Out Of Our Heads (London LL3429 = US 12"LP:mono)
●Out Of Our Heads (US LP version) = CD
●Big Hits (London NP1 = US Compilatino 12"LP:mono)
●Big Hits (Decca TXL101 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Big Hits = CD
●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single x 12)
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = CD
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1963 - 1965 = CD

Play With Fire : original mono-mix
作者:Nanker Phelge
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Phil Spector
録音:1965年1月17-18日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Phil Spector (g), Jack Nitzsche (g,key,per)
 この曲と演奏には様々なエピソードと謎が多く、まずこの演奏は厳密に言えばストーンズでなく、ミック・ジャガーとキース・リチャーズに加えて、フィル・スペクターとジャック・ニッチェが参加したセッションになっています。その理由はブライアン・ジョーンズ、ビル・ワイマン、そしてチャーリー・ワッツがスタジオで疲れ果てて眠ってしまったからだとされていますが、それでいて、ストーンズ全員の共作名義になっているというのが、???……。
 ですから本来はリリースされるはずもなかったのですが、実はマスターテープを会社側に間違えて送ってしまったという噂があります。ちなみに本来は「Mess With Fire」という、この曲の別バージョンが予定されていたのですが……。
 肝心のこの曲は生ギターをメインにした気だるいフォーク調ながら、ハープシコードを活かした味わい深い仕上がりになっています。
 このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●Out Of Our Heads (London LL3429 = US 12"LP:mono)
●Out Of Our Heads (US LP version) = CD
●Big Hits (London NP1 = US Compilatino 12"LP:mono)
●Big Hits = CD
●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single x 12)
●Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●Hot Rocks = US盤CD
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1963 - 1965 = CD


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」

(2006.07.24 敬称略・続く)