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作者:Mick Jagger, Keith Richards & Andrew Oldham
製作:Andrew Oldham
録音:1965年10月26日、ロンドンのIBCスタジオ
編曲:Mike Leander
さて、問題の曲です。というのも、発表当時、ビートルズの「Yesterday」と比較対照され、その二番煎じとして、ストーンズの後追い体質が否が応でも浮彫りにされたからです。
しかしこれは、ある意味では濡れ衣です。
というのは、楽曲自体はビートルズの「Yesterday」よりも早く書かれたもので、すでに1964年春の段階で「As Time Goes By」と名付けられたデモ録音が残されています。それはアンドルー・オールダムがあるパーティ会場でスカウトして来たマリアンヌ・フェイスフル:Marianne
Faithful という深窓の令嬢を、清純派歌手として売り出すための楽曲でした。
そしてこの曲は「As Tears Go By」と手直しされ、マリアンヌ・フェイスフルのデビュー曲として1964年6月に発売され、秋にはイギリスで第9位、アメリカでも22位にランクされる大ヒットになったのです。
ちなみに彼女こそ、初期のストーンズに関わる女性のひとりで、アイドル人気絶頂時に結婚し、子供までもうけながらミック・ジャガーと不倫関係に陥る等、当に1960年代の芸能界スキャンダル部門を彩りました。
さて、肝心のストーンズのバージョンは、まず録音にはミック・ジャガーとキース・リチャーズしか参加しておらず、そこに弦楽四重奏団が加わるというあたりが、完全にビートルズの「Yesterday」を意識していると断定されても、文句が言えない仕上がりです。もちろんキース・リチャーズが生ギターで伴奏しているのは言わずもがなですが、「胸キュン」系のメロディに達観したかのような歌詞は、これはこれで大いに魅力的です。
このアルバム以外の主な収録は以下のとおりです。
●December's Children = CD
●As Tears Go By / Gotta Get Away (London 9808 = US 7"Single)
●19th Nervaus Breakdown / As Tears Go By (Decca F12331 = UK 7"Single)
●Big Hits (London NP1 = US Compilatino 12"LP:mono) ●Big Hits (Decca TXL101 =
UK Compilatino 12"LP:mono)
●Big Hits = CD ●Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●Hot Rocks = CD ●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single
x 12) ●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1965 - 1967 = CD
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