the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1966 part 23

■Aftermath (Decca LK4786:mono / SKL4786:stereo)
発売日:1966年4月15日(英)
A-1 Mothers Little Helper
A-2 Stupid Girl
A-3 Lady Jane
A-4 Under My Thumb
A-5 Doncha Bother Me
A-6 Goin' Home
B-1 Flight 505
B-2 High And Dry
B-3 Out Of Time (original version)
B-4 It's Not Easy
B-5 I Am Waiting
B-6 Take It Or Leave It
B-7 Think
B-8 What To Do
 イギリスにおける4枚目のアルバムは、ストーンズ畢生の名作と言う以上に、ロック史に屹立する大傑作盤です。
 収録楽曲は全てがミック・ジャガーとキース・リチャーズによって書かれた新曲で、演奏面ではブライアン・ジョーンズがギターやハーモニカ以外にもシタール、マリンバ、ダルシマー、ハープシコードといった、あまりロックでは使われなかった各種楽器を自在に操って、怖ろしい完成度を示しています。
 もちろんレコーディングはアメリカのRCAスタジオを中心に行われ、プロデュースはアンドルー・オールダムとされていますが、これまで同様にジャック・ニッチェが暗躍しているのは確実ですし、録音とトラックダウンには当時最先端のステレオ立体音響が使われています。
 結論から言うと、このアルバムはストーンズにとって、ビートルズの「ラバーソウル」に相当する作品という位置付けですが、少なくともステレオミックス仕様の音作りに関しては、右と左に泣き別れていた「ラバーソウル」よりも優れた出来栄えです。それゆえ当然、モノラルバージョンとの違いも僅かに散見出来るのですが、ここではステレオバージョンを基準に収録楽曲をご紹介しようと思います。
 ちなみにこのアルバムは、私が3番目に聴いたストーンズのLPでしたが、それまでに聴いていた「あなたが選んだゴルーデンアルバム」や「直輸入盤ベガーズ・バンケット」とは明らかに違う感触がありました。それはソフト&メロディアスということで、特にビートルズと比べて泥臭い雰囲気が、ここではプラスに作用しているように思います。もちろんイギリスのチャートでは1位の大ヒットでした♪

Mothers Little Helper
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年12月6-10日、ハリウッドのRCAスタジオ
 倦怠した日常から逃れるために、経口避妊薬を飲んで一晩中セックスをする母親を歌っていますが、初めて聴いた中学生の頃の私には、ちょいと意味不明の歌詞でした。
 まあ、セックス、ドラッグ、ロックンロールを貫いていたストーンズの変則的社会意識を歌っていたのかもしれませんが、「先生、もっとちょうだ〜い」というあたりが意味深です。
 また曲調はアコースティックなフォークロックで、12弦ギターが爽やかですが、シタールによるキメのリフやブンブン唸るビル・ワイマンのベースが強力です。そして良く聴くとマリンバやキーボードが隠し味として、極めて薄く入っているのも細かい芸!
 気になるステレオとモノラルの違いは無いと言って良いと思います。ただしアメリカでは発売当時からステレオ仕様表示がありながら、擬似ステレオミックスが堂々と混在していました。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Through The Past, Darkly (Decca SKL5019 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Hot Rocks 1 = 1985年リマスターCDのUK盤
Hot Rocks 1 = 1986年リマスターCDの日本盤
擬似ステレオバージョン / simulated stereo-mix
Flowers (London PS509 = US 12"LP:stereo)
Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Mothers Little Helper / Lady Jane (London 902 = US 7"Single)
Flowers (London LL3509 = US 12"LP:mono)
Flowers = CD
Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
Hot Rocks = CD
Single Collection - The London Years = 2002年リマスターのCD
Singles 1965 - 1967 = CD

Stupid Girl
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (org), Jack Nitzsche (key,per)
 イアン・スチュアートのオルガンが入った、死ぬほどカッコ良いR&Bポップスです!
 間奏でのコーラスも軽快で味わい深く、またここでのギターソロで危なくなっているキース・リチャードにブライアン・ジョーンズが助け舟を出すギターの絡みも、スリルがあります♪ またビル・ワイマンとチャーリー・ワッツのリズム隊もグルーヴ感満点です。もちろんミック・ジャガーのボーカルも猥雑♪ 何度聴いても最高です!
 ちなみにこの曲もステレオミックスがメインで、モノラルバージョンは単にステレオミックスをモノラルに落としただけと思われますが、不思議なことにアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 ということで、この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)
Paint It, Black / Stupid Girl (London 901 = US 7"Single)
Single Collection - The London Years = CD
Singles 1965 - 1967 = CD

Lady Jane
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Jack Nitzsche (key)
 ストーンズの甘口曲と言えば、これっ♪ と断言するほど美しいフォーク系の名曲です。
 生ギターとハープシコードに加えて、ブライアン・ジョーンズが弾くダルシマーがキモという音作りで、単なるクラシック趣味に陥っていないのは流石!
 ちなみにダルシマーとは、一般にはピアノの先祖と言われる中国の揚琴に似た箱型楽器ですが、ここでブライアン・ジョーンズが弾いているのは、アメリカ大陸の山岳地帯へ移民した欧州人が独自に変形させた、通称アパラチアン・ダルシマーと呼ばれる西洋琵琶のような楽器です。全体は細長い瓢箪形の胴体に弦が張ってあり、膝の上に平たく乗せて弦を弾くというのが基本ですが、抱えて弾くことも出来ると言われています(画像参照)。
 そしてそういう甘美な曲調と音作りが存分に楽しめるのは、やはりステレオバージョンということで、モノラルバージョンは単にステレオミックスをモノラルに落としただけですが、アメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、またしても左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 ということで、人気曲の宿命として、またまたステレオとモノラルの両バージョンが複雑に混在していますが、主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
Big Hits (Decca TXS101 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Flowers (London PS509 = US 12"LP:stereo)
Flowers = CD
More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
More Hot Rocks = CD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)
Mothers Little Helper / Lady Jane (London 902 = US 7"Single)
Big Hits (Decca TXL101 = UK Compilatino 12"LP:mono)
Flowers (London LL3509 = US 12"LP:mono)
Single Collection - The London Years = 2002年リマスターのCD
Singles 1965 - 1967 = CD

Under My Thumb
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
 これも名曲・名演としか言えない、ストーンズ流の洒落たR&Bです。
 イントロから曲全体を貫くリフは、当時流行のモータウン・サウンドからのパクリなんですが、それをブライアン・ジョーンズがマリンバで演じてしまうという、最高にポップな感覚が永遠に不滅です。
 また生&エレキギターの重なり、強めのエコーで潰したような手拍子、ファズ入りのベース、そして少しずつ盛り上げるミック・ジャガーの魂のボーカル! 全てが絶妙な化学変化の果てに完成していると思います。
 これもステレオバージョンを基準にすると、イギリス盤のモノラルバージョンはフェイドアウトが早く、14秒ほど短くなっています。ただしアメリカ盤のモノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけですし、例によってアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
Hot Rocks = CD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
オリジナル・モノラルバージョン(short version) / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
モノラルバージョン / mono-mix
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

Doncha Bother Me / 邪魔をするなよ
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年12月6-10日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (p)
 ブライアン・ジョーンズのスライドギターとミック・ジャガーの猥雑なボーカルが対決する強力なブルースロックです。
 ホンキートンク調のピアノは、おそらくイアン・スチュアート、ハーモニカはミック・ジャガーと思われますが、その他、緻密にいろんな楽器が重ねられ、ミックスダウン時に微細な音の塊にされたかのような厚みが感じれますので、この曲もステレオバージョン優先なのでしょう。モノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。
 そしてここでも、アメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

Goin' Home
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年12月6-10日、ハリウッドのRCAスタジオ
 なんと12分近い、ブルースのジャムセッションですが、あくまでもミック・ジャガーのセクシーなボーカルが全体をリードする、イナタイ雰囲気になっています。
 もちろんギターやハーモニカのアドリブが重ねられていますが、ピリッとエキサイトする場面がありません。これは一説によると、ブライアン・ジョーンズがほとんど参加していない結果で、どうやら悪いクスリの所為だとも言われています。
 しかし3分間ポップスが全盛の当時、LP収録曲だとしても、これだけの長時間演奏は画期的で、後の彼等のステージでは定番となる「Midnight Rambler」の先駆とも受け取れます。
 またこのセッション当時のアメリカでは、サンフランシスコ周辺のバンドが、ライブではジャズを取り入れた長時間演奏を聴かせており、ライブバンドとしてのストーンズは、そのあたりに刺激されたのかもしれません。
 ただし傑作曲揃いのアルバム中では、明らかに散漫な仕上がり……。何かが起こりそうで、結局、何も起らないというのが、本音の受取方ではないでしょうか? ステレオとモノラルの両バージョンの聴き比べにも、正直シンドイものがありました。そしてやはりモノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。
 そしてここでも、アメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

Flight 505
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (p)
 イントロの印象的なホンキートンク調ピアノはイアン・スチュアートで、最後には、この時点で未発売だった「Let's Spend The Night Together / 夜をぶっとばせ!」の一節を弾いてしまうのが、ご愛嬌です♪
 もちろん曲自体も、その前奏曲的なシニカルなロックンロールに仕上がっており、キース・リチャーズのチープなギター、ビル・ワイマンのファズベースが良い味を出しまくりです。
 ちなみに、このアルバムはステレオミックス優先とは言いながら、この曲はモノラルバージョンの方がギターやドラムスが前面に出た、ビシッとした迫力が感じられます。またアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、本来左チャンネルにあったドラムスとベースが真ん中に集められた新しいミックスになっています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

High And Dry
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
 後の傑作アルバム「ベガーズ・バンケット」収録曲に通じるような、ストーンズ流のカントリー・ブルースです。それはアメリカ産白人カントリーと黒人ブルースへの憧憬から生まれた勘違いの賜物かもしれませんが、何の衒いも無くそれをやってしまうストーンズは最高です。
 ここでもブライアン・ジョーンズの強烈なハーモニカ、チャーリー・ワッツのハイハット、キース・リチャーズの楽しそうな生ギターが一丸となってミック・ジャガーを盛り立てます。
 ちなみに、この1966年3月のレコーディング・セッションには、アメリカ西海岸の有名ミュージシャンが大勢見学に訪れたらしいのですが、白人も黒人も無い、こうしたストーンズの恐いもの知らずの勢いには圧倒されたのではないでしょうか。
 例によってモノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。またアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは新しいステレオミックスで、ビル・ワイマンのベースが真ん中に定位しています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

Out Of Time (original version)
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (org), Jack Nitzsche (key,per)
 これまたウルトラポップなストーンズ流R&Bの大傑作曲です。
 まずイントロのリズムパターンは、もちろんフィル・スペクターからのパクリというかリスペクト♪ そしてラテン色のギターやビート感覚は、やはりフィル・スペクターが絡んでいた黒人コーラスグループのドリフターズ:The Drifters からの影響がモロです。
 しかもブライアン・ジョーンズがマリンバで全篇に絶妙の味付けを施し、「泣き」を含んだメロディ展開ではサビのコーラスが否が応でも盛り上がります。もちろん強靭なエレキのリズムギターやブリブリのエレキベースが効いていますから、ロックの本質も見失っていません。
 個人的にも非常に好きな曲ですし、世界中で多くのカバーバージョンが作られています。
 ちなみに、ストーンズの演奏にも幾つかのバージョンが存在しておりますが、一応これをオリジナルバージョンとさせていただきます。そしてモノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)

It's Not Easy
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (org)
 ストーンズのオリジナル曲ですが、ロックンロールの神様であるチャック・ベリーへの限りない憧憬から生み出されているのは、聴いて納得でしょう。
 右チャンネルから終始前面に出て、あまりにもモロなカッティングを聞かせるギターはキース・リチャーズでしょうし、その背後で絡んでいるのがブライアン・ジョーンズでしょうねぇ♪ とにかく楽しい演奏です。
 しかしこのトラックはモノラルバージョンの方が団子状の音の迫力がありますし、フェードアウトも早くなっている違いが感じられます。ちなみにアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、左右に広がりの無い、極めてモノラルに近い独自のステレオミックスになっていますが、その迫力は再現されていないのが残念です。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

I Am Waiting
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Jack Nitzsche (key,per)
 フォーク調の気だるいメロディがサビで一転、力強いR&Bになるというコントラストが秀逸な傑作曲です。繊細なバロック風生ギターの響き、効果的なタンブリンやドラムスの存在感、薄く入っているハープシコード、そして強弱を巧みに使い分けるミック・ジャガーのボーカルと、計算されつくした音作りが見事だと思います。
 ところがモノラルバージョンだと、このタンブリンがほとんど聴こえないのは???
 また例によって、アメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、左右に広がりの無い、独自のステレオミックスになっています。
 この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

Take It Or Leave It
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年12月6-10日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (org)
 ストーンズの「胸キュン」系では屈指の名曲で、生ギターとハープシコード、オルガンが効果的に使われ、感傷的なメロディがグッと引き立っています。
 またキース・リチャーズとブライアン・ジョーンズの無垢なコーラスも好ましく、フォークロックではありますが、こういうサウンドは当時のブリティッシュ・ビート・バンドでしか生み出せないものだと思います。その意味で同時期に発売されたサーチャーズ:The Searchers のカバーバージョン(Pye 7N17094)は、リバプール・サウンドがモロに出た仕上がりですが、基本メロディとアレンジはストーンズのバージョンと一緒なのが微笑ましいところ♪ なんかジョン・レノンが書きそうな曲です。
 ちなみにこの曲ではステレオとモノラルの両バージョンで特に違いは無く、モノラルバージョンは、単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Flowers (London PS509 = US 12"LP:stereo)
Flowers = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
Flowers (London LL3509 = US 12"LP:mono)

Think
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1965年12月6-10日、ハリウッドのRCAスタジオ
 R&B色が極めて強い、ストーンズならではのロックが楽しめます。
 イントロから生ギター、ファズギター、そして硬質なエレキギターが絡み合い、これも後の「Let's Spend The Night Together / 夜をぶっとばせ!」に繋がる痛快さです。そして間奏では右チャンネルから聴こえるキース・リチャーズのギターが健闘しており、左チャンネルにあるブライアン・ジョーンズの巧みなサイドギターと上手く絡んで、ストーンズ独自のサウンドを完成させています。あぁ、この頃のライプバージョンが聴いてみたいですねぇ〜。
 そしてイギリス盤のモノラルバージョンはフェイドアウトが長く、ミック・ジャガーのボーカルが長く聴かれますが、アメリカ盤は単にステレオミックスをモノラルに落としただけです。
 またアメリカ盤仕様で1986年にリマスターされたCDは、従来の左チャンネルの音を真ん中に集めた変則ステレオバージョンにリミックスされています。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
Aftermath (London PS476 = US 12"LP:stereo)
Aftermath (US LP version) = 2002年リマスターのCD
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Aftermath (US LP version) = 1886年リマスターのCD
オリジナル・モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
モノラルバージョン / mono-mix
Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)

What To Do
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
 ホンワカR&Bというか、現在のストーンズからは想像が難しいほどポップな仕上がりの曲です。しかもコーラスがビーチボーイズ風というオトボケぶり♪
 実はこの1966年3月の録音セッションには、ビーチボーイズのメンバーが見学に訪れたらしく、それに敬意を表したのでしょうか? そんな憎めない目論見の中で、矢鱈に力むミック・ジャガーのボーカルが、逆に和みます。
 ステレオとモノラルの両バージョンについての違いは特に無く、これも単にステレオミックスをモノラルに落としただけのようです。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Aftermath (Decca SKL4786 = UK 12"LP:stereo)
Aftermath (UK LP version) = 2002年リマスターのCD
More Hot Rocks = 2002年リマスターCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Aftermath (Decca LK4786 = UK 12"LP:mono)
More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
More Hot Rocks = 1987年リマスターCD


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」

(2006.09.11 敬称略・続く)