the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1966 part 33

■Con Le Mie Lacrime / Heart Of Stone (Itelia Decca F22279:mono)
発売日:1966年5月2日
 イタリアで発売されたシングル盤で、A面が「As Tears Go By / 涙あふれて」のイタリア語バージョンというが、今となってはコレクターズ・アイテム!
 ちなみにB面は通常の英語バージョンです。

Con Le Mie Lacrime / 涙あふれて・イタリア語バージョン : original mono-mix
作者:Mick Jagger, Keith Richards. Andrew Oldham & Danpa
製作:Andrew Oldham
録音:1966年春、ロンドンのオリンピック・スタジオ
編曲:?
 どういう経緯があったのか、とにかく珍しいバージョンが作られました。ストーンズ名義ではありますが、どうやらミック・ジャガーだけが歌っているようです。なにしろバックの演奏がギターとハープシコードにストリングスのオーケストラという、クラシック調のアレンジになっていますから!
 このあたりは、後年の日本におけるGSブームの際に使われた歌謡曲のクラシックアレンジの元ネタかもしれません。
 また作者としてクレジットされている Danpa なる人物は、イギリスの詩人で、イタリア語の訳詩を担当したのでしょうか?
 肝心の仕上がりは、ミック・ジャガーのボーカルに熱が入っていない脱力感が不思議な魅力、と言えばミもフタもありませんが……。
 その所為か、公式にはCD化されていません。このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●Slow Rollers (Decca TAB30 = UK Compilatino 12"LP:mono)

Paint it, Black / Stupid Girl (London 901:mono)
発売日:1966年5月7日
 バリバリの新曲をA面にしてアメリカ先行で発売されたシングル盤です。もちろんチャート1位の大ヒット♪ ちなみにB面曲は、既にイギリスで発売されていた傑作アルバム「アフターマス」に収録されていたものですが、アメリカでは新曲扱いでした。

Paint it, Black / 黒くぬれ!(single version) : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Jack Nitzsche (key)
 中近東〜インド方面のモードを取り入れ、ブライアン・ジョーンズのシタールが全篇をリードする強烈なロックヒットです。ちなみに、こういう曲調や演奏は当時、ラガロックと呼ばれ、最先端のブームとなりましたが、もちろんその先駆はビートルズということで、ストーンズの後追い体質が露わになっておりますが、そういうものをロックに変換した見事さではストーンズの勝ちだと、私は思います。
 ブライアン・ジョーンズは、この演奏のためにシタールを特訓し、わずか数時間で見事に弾きこなすという楽器の天才ぶりを示し、ビル・ワイマンのベースは、後年のテクノポップのビートとフレーズを弾き出すというブッ飛び方ですからねぇ〜♪ ミック・ジャガーのボーカルも粘っこい!
 そして当時の映像を観ると、この曲ではブライアン・ジョーンズだけが胡坐でシタールを抱えて熱演している姿が、物凄いインパクトを残しています。
 さて、このシングル盤以外の主な収録についてですが、既に各所で度々取上げられているように、CD化されたものは新バージョンというか、フェードアウトがかなり長くなっています。実際、この文章のために聴き比べてみると、確かにアナログ盤バージョンよりも 21秒ほど長くなっていました。また、擬似ステレオとリアル・ステレオバージョンの混在が著しくなっているのも困りもの! オリジナルはあくまでもモノラルです。
 ということで、このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりで、オリジナル・モノラルバージョンは、2006年9月現在、未CD化だと思われます。
●Paint It, Balck / Long Long While (Decca F12395 = UK 7"Single)
●黒くぬれ!/ ロング・ロング・ホワイル (キング TOP1053 = JP 7"Single)
●Aftermath (London LL3476 = US 12"LP:mono)
●Big Hits (Decca TXL101 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single x 12)

Paint it, Black / Long Long While (Decca F12395:mono)
発売日:1966年5月13日
発売日:1966年7月1日(日)= キング TOP-1053 (画像掲載)
 アメリカに遅れること1週間、ついにイギリスで発売されたシングル盤で、A面曲はもちろんチャート1位の大ヒットになっています。
 またB面にピカピカの新曲が入っているのもミソ♪
 日本での発売もこのカップリングで、当時はエレキブームとビートルズの来日で洋楽熱が急上昇していましたので、ラジオからも頻繁に流れていた記憶があります。「黒くぬれ!」というベタな邦題のインパクトも強烈でした。
 それと余談ですが、ベンチャーズが作曲し、渚ゆう子の歌で大ヒットした日本歌謡曲の傑作「京都の恋」の元ネタが、実はこの「黒くぬれ!」で、最近のステージでは開き直った彼等が、この2曲のメドレー演奏でカミングアウトしています♪ しかも、ご丁寧にエレキシタールを使うんですよ♪

Long Long While : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Dave Hassinger
録音:1966年3月3-8日、ハリウッドのRCAスタジオ
共演:Ian Stewart (p,org)
 南部ソウルにどっぷり浸かったストーンズのオリジナル曲ですが、既に当時の彼等にしては後ろ向きなスタイルです。そして、そうであればあるほど、ミック・ジャガーの歌にイマイチ、黒っぽさが足りない雰囲気です。なんとか終盤は熱唱しておりますが……。
 ただしバックの演奏はイアン・スチュアートのオルガンを中心に最高で、チャーリー・ワッツの叩き出すビートも素晴らしい限りという、これはこれで和みの名曲でしょう。
 このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
●More Hot Rocks = CD
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1965 - 1967 = CD


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」

(2006.09.18 敬称略・続く)