the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1967 part 13

■Let's Spend The Night Together / Ruby Tuesday
(Decca F12546:mono = UK / London 904:mono = US)
発売日:1967年1月13日(英)
発売日:1967年1月14日(米)
発売日:1967年3月10日(日)= キング TOP-1124
 実質的に英米同時発されたバリバリの最新シングル盤で、両A面扱いになっています。
 と言うのも、両曲が共に優れた出来ということもありますが、実は発売前のプロモーションの段階で、「Let's Spend The Night Together」の歌詞の内容、つまり「夜を一緒に過ごそうぜ」が露骨にセックスを連想させるとして、特にアメリカの放送メディアが難色を示した所為だとされています。
 結局、アメリカでは「Ruby Tuesday」がチャート1位の大ヒット♪ イギリスでは「Let's Spend The Night Together」がチャート3位という、強烈なシングル盤となりました。
 ちなみに録音と製作が、このレコードあたりから再びイギリス国内で行われるようになったことも、特筆すべきでしょう。録音エンジニアとして正式デビュー前からストーンズと関わっていたグリン・ジョンズが、いよいよ本格的に音作りへ参加していくのですが、この人は1960年代の英国ロック創成期にザ・フー、スモール・フェイセス、ジョー・コッカー、ハンブル・パイ等々を手がけて骨太のサウンドを作り上げた、ブリティッシュロックの陰の立役者! もちろんビートルズとも因縁深く、例の「レットイット・ビー」騒動にも深く関わっています(「ザ・ビートルズ/レット・イット・ビーの謎」参照)。
 しかもそれでアメリカとの人脈が切れたわけではなく、ここでもちゃ〜んと、ジャック・ニッチェ他のスタッフが参加しているという物凄さです。
 しかしメンバーの私生活の乱れやマネージメント問題の拗れが、ますます顕著になっていったのもこの時期で、特にブライアン・ジョーンズの体調および精神面の不安定さは、レコーディングだけでなく巡業ライブにも大きく影響していくのでした。

Let's Spend The Night Together / 夜をぶっとばせ!: original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Jack Nitzsche & Glyn Jones
録音:1966年11-12月、ロンドンのオリンピックスタジオで録音
共演:Jack Nitzsche (p)
 「俺は盛り上がっている、快調だぜっ、お前をリードしてやる、夜を一緒に過ごそうぜっ♪」という、モロにセックス、ドラッグ、ロックンロールを歌いまくった、如何にもストーンズらしいストレートに反社会的な歌詞が強烈! しかし曲メロやサウンド作りは、なかなかに凝っています。
 まず特筆すべきは、ロックと言えばエレキギターという部分が否定されていることです! で、逆に強調されているのが、ピアノとベース、それにタイトなドラムス、そして微妙に可愛らしいコーラス♪ ちなみにピアノはジャック・ニッチェ、ベースはキース・リチャーズ、ビル・ワイマンがオルガンを担当したと言われていますが、それじゃブライアン・ジョーンズは何をやっていたの? 悪いクスリで体調が?
 まあ、それはそれとして、この曲のキメは、やはり中間部の「らしくない」ロマンチックなコーラスでしょう。ビーチボーイズやビートルズの良いとこ取りみたいでもあり、それはサイケロックが大きく開花した1967年の幕開けを飾るに相応しい彩になっています。
 それとこの曲にまつわる有名なエピソードが、1967年1月13日のエド・サリバン・ショウにおける歌詞変更事件です。それは「let's spend the night together」を「let's spend sometime together」に強制変更させられたわけですが、ビデオを観るとミック・ジャガーはモゴモゴ発音してごまかしているのに、キース・リチャーズは堂々と「sometime」を発音しており、笑えます。ちなみに、この時の演奏はカラオケをバックにボーカルだけが本物でしたが、ブライアン・ジョーンズがピアノを見せかけに弾いているのが印象的でした。
 気になるバージョン違いでは、このモノラルミックスのシングルバージョンがステレオバージョンに比べて短めになっていますが、特に日本盤シングルバージョンはピッチが明らかに早くなっている分、ますます短めになっていると思います。
 このシングル盤以外の主な収録は以下のとおりです。
●Between The Buttons (London LL3499 = US 12"LP:mono)
●Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single x 12)
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1965 - 1967 = CD

Ruby Tuesday: original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Andrew Oldham with Glyn Jones
録音:1966年11-12月、ロンドンのオリンピックスタジオで録音
 ストーンズが持っているロマンチックな面を代表する名曲・名演です。
 そして「Let's Spend The Night Together」では影の薄かったブライアン・ジョーンズが、ここでは大活躍! リコーダー、生ギター、チェロにピアノという、サウンドの要をひとりで演じています。また、ここぞっ、で力強いビートを聞かせるチャーリー・ワッツのドラムスも印象的♪ 穏やかな曲調ですが、弾みの強いビル・ワイマンのベースもあって、実はロックの真髄が潜んでいると思います。
 ちなみに様々なアルバムに収録されているステレオバージョンは、ややピッチが遅くなっていますので、やはりモノラルのシングルバージョンで聴くのが王道でしょうか。
 このシングル盤以外の主な収録は、以下のとおりです。
●Between The Buttons (London LL3499 = US 12"LP:mono)
●Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Decca Single Collection (Decca STONES-1/12 = UK 7"Single x 12)
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1965 - 1967 = CD


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」

(2006.11.26 敬称略・続く)