the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1967 part 63

■Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103:stereo / TXL103:mono ) = UK
■Their Satanic Majesties Request (London NPS2:stereo / NP2:mono) = US
発売日:1967年12月8日(英)
発売日:1967年12月9日(米)
発売日:1968年2月(日)= 直輸入盤
A-1 Sing This All Together
A-2 Citadel
A-3 In Aother Land (album version)
A-4 2000 Man
A-5 Sing This All Together (See What Happens)
A-5Cosmice Christmas
B-1 She's A Rainbow (album version)
B-2 The Lantern
B-3 Gomper
B-4 2000 Light Years From Home
B-5 On With The Show
 今となっては、最も「らしくない」ストーンズのアルバム!
 そしてポビュラー音楽史に屹立する孤高の名盤!
 もちろん同年6月に発売されたビートルズの「サージェント・ペパーズ」を後追いした作品であることは否定出来ません。しかし二番煎じだったとしても、ジャケットの豪華な凝り様を筆頭に、これほど見事に屈折した模倣も無いもんだと思います。
 まず、世界初の3D技法を用いたジャケットが、サイケデリックそのまんまの優れもの♪ あの微妙にデコボコした透明プラスチックを貼ったやつです。そして撮影とデザインを担当したのが、前述の「サージェント・ペパーズ」と同じマイケル・クーパー:Michael Cooper ですから、確信犯を通り越した潔さが流石だと思います。
 このあたりは、既に述べたように、デビュー以来のマネージャー兼プロデューサーだったアンドルー・オールダムと決別し、全てを自分達の思うように取り仕切ったストーンズが、ビートルズとも極めて友好的な間柄だったことの表れかと思います。ちなみに当時のビートルズもマネージャーのブライアン・エプスタイを失って迷走しつつあったことが絶妙な因縁であり、また両バンドが共にアラン・クラインという豪腕会計士に食い込まれるという歴史(拙稿「The Beatles / Let It Be の謎」参照)は、運命のいたずらを超えていますが、その岐路に発売されたこのアルバムの混濁し内容は、なおさら意味深かもしれません。
 だいたい「魔王陛下からの要請」というアルバムタイトルが、英国女王陛下をコケにしているとしてレコード会社から問題視され、またクリスマス商品として予定された内容からも相応しくないとして、製作段階から猛反発を受けています。
 しかしビートルズの「サージェント・ペパーズ」という、栄光の金字塔に対抗するものを作ろうと決心していたストーンズには、これしか無いの地獄巡り! デビュー以来、ビートルズの対抗馬として不良役を演じ続けてきたバンドとしては、当然の選択だったと思います。もちろんこのあたりはビートルズ側だって百も承知であり、実際、この当時、2つのグループが合同で新会社を立ち上げるという話も進んでいたほどです。ちなみに、このアルバムから内容が英米で統一された発売形式なったのも、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」と歩調を合わせた感があります。
 混濁した音作りも、幻想的な歌詞の内容も、ドラッグカルチャーそのものを強烈に印象付けた確信犯であり、しかもロックやフォークというジャンルを超えてジャズや現代音楽までも取り込んだプログレになってしまった事さえ、些かの問題も無かったはず!
 ですからイギリスはもちろんのこと、欧米でも発売直後から爆発的に売れたのは歴史的事実で、イギリスでは3位、アメリカでは2位のチャート記録を残しています。もちろん我国でも、まず直輸入盤に日本語帯をつけた形で限定発売され、当時レコード店にディスプレイされていた現物を見た私は、あまりの豪華絢爛色彩極美な世界に陶然とさせられたものですが、従兄のお姉さんから聞かせてもらったその内容は完全に???というのが、リアルタイムでの感想でした。その頃の私の感性では、全然、ロックしていませんからねぇ……。その分からなさが、サイケデリックの真髄だと納得する他はありませんでした。
 しかし時が流れ、私の感性の中にロック以外の音楽や思想・体験が入り込み、さらにCD鑑賞が可能な時代になってからは、その深遠な面白さに驚愕させられています。
 その原動力は、様々な楽器を駆使して渾身の名演を披露するブライアン・ジョーンズの大奮闘でしょう。またニッキー・ホプキンスや、後にレッド・ツェッペリンのメンバーとして有名になるジョン・ポール・ジョーンズ:John Paul Jones の参加も要注意です。レコーディングは1967年の1月から9月まで断続的に行われ、その間にはメンバーの麻薬事件とかマネージメントのゴタゴタ、さらに人間関係の複雑化があった裏事情は既に述べたところですが、ここを境にブライアン・ジョーンズは身も心も追いつめられていくのでした。

Sing This All Together / 魔王賛歌
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 ニッキー・ホプキンスのピアノに導かれ、多重録音によるブライアン・ジョーンズのブラス&サックスが咆哮し、ビル・ワイマンのベースがビビビビビィ〜ンと唸る! このイントロだけで強烈なジャズロックの佇まいになっていますが、続くボーカルパートではミック・ジャガーの歌というよりも、混濁した合掌が「みんなで一緒に、この歌を歌おう!」とシンプルに言い放って痛快な印象です。当にショウの幕開けに相応しいですねっ♪
 しかもチャーリー・ワッツのアフリカ色のドラムスとブライアン・ジョーンズのシタールやマリンバ、キース・リチャーズのヘタウマなニューロックのギター、さらにジャズっぽいピアノやホーンのキメ! そんなこんながゴッタ煮状態で襲い掛かってきますから、たまりません♪
 リアルタイムではオドロな邦題に惑わされたこともあり、訳分からずの世界でしたが、今となっては怖ろしいばかりの完成度を示した超カッコイイ楽曲・演奏だと思います。しかも曲はブ〜ンと下降した雰囲気で終わり、次曲へ繋がるところまでが、鮮やかです。
 ちなみにステレオバージョンに比べて、モノラルバージョンの方が打楽器が強くミックスされている気がしています。この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

Citadel / 魔王のお城
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年2-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
 前曲が終わった瞬間、続けて掻き鳴らされるギターが、これまたカッコイイです! 実際、このあたりの雰囲気は、後の英国ロックでは定番として夥しいパクリが存在しているほどですからねぇ、ブライアン・フェリー君!
 曲調は当然、サイケ色が付いたヘヴィなロックですが、ストーンズ本来の持ち味は決して失われていない名演だと思います。そしてもちろん、ブライアン・ジョーンズがギターばかりでなく、サックスやオルガンで奮闘しているのです。またド迫力なチャーリー・ワッツのドラムスや蠢くビル・ワイワンのベースも最高ですねぇ。ミック・ジャガーのベタベタなボーカルは、ライブでやっても充分納得の演奏になったはずですが……。
 ちなみにモノラルバージョンではオルガンがあまり聞こえず、フェードアウトもステレオバージョンに比べて早くなっています。主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

In Aother Land (album version)
作者:Bill Wyman
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年6-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (key), Steve Marriott & Rinnie Lane (g)
 アメリカ優先のシングル盤A面曲として、既に発表済みでしたが、ここでは曲終わりにイビキが聞こえるアルパムバージョン! 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

2000 Man
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (key)
 生ギターとドラムスが素朴な雰囲気を醸し出す、英国フォーク風の素敵な曲です。
 ところが途中からエレキがギンギン、ベースがブリブリ、オルガンが唸りっ放しという力強い展開になり、最後はカントリーロックに変貌するのですから侮れません。ミック・ジャガーの歌いっぷりも素晴らしいですね♪
 サイケ云々という先入観に支配されたアルバムの中にあっては、後の「ベガーズ・バンケット」に繋がる、如何にもストーンズらしい演奏でしょう。主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

Sing This All Together (See What Happens) / 魔王賛歌(第2部)
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 アナログ盤ではA面のラストに配置されていますから、トータル性を重んじた作品内では全体のキモとなる演奏なんでしょうが、完全にサイケデリックな世界に深入りしたジコチュウな……。最初はブライアン・ジョーンズのメロトロンが導いく穏やかな世界なんですが、咳払いとか笑い声、雑談が入ってくると、いきなりダーティなギターが鳴り出して、お経のようなボーカルやフリージャズっぽい管楽器、エスニックな打楽器や意味不明の唸り声……。そんなこんなが、またまたゴッタ煮です。
 もちろんタイトルどおり、「Sing This All Together」の続篇ですから、そのメロディの断片も出てきます。キース・リチャーズのヘタウマなニューロックギターは完全に「味」の世界ですが、全体的にはフリージャズロックでしょう。どうやら最初のオリジナルテープでは、「Sing This All Together」と繋がっていたと言われており、その後編部分がこれというわけでしょうか……?
 時代的にはロンドンでも、ブルースバンドから転向したピンク・フロイドがサイケデリックの新鋭として同類の演奏を聞かせ、注目されていたことを意識したものでしょうか……? 今となっては「らしくない」代表ですが、とにかく当時の最先端を疾走した演奏だと思います。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

※Cosmice Christmas
作者:?
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
 前曲の最後、つまりアナログ盤A面ラスト部分に、隠しトラックとして置かれたクリスマスソング♪ とはいえ、普通に聴くことは出来ません! なんと33回転のLPを45回転で再生すると、「We Wish You A Merry Christmas」という有名なメロディが流れてきます。これはビル・ワイマンのアイディアからシンセサイザーで作り出してものですが、クリスマス商戦用のアルバムに拘ったレコード会社に対する、如何にもストーンズらしい回答でしょう。ちなみに最初のアルバムタイトルも「Cosmice Christmas」として宣伝予告されていたようです。
 CD時代になってからも入っていますので、ピッチ可変が備わっているプレイヤーならぱ25%スピートアップで聴くことが出来るはずです。

She's A Rainbow (album version)
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年1-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p), John Paul Jones (arr)
 ストーンズの、と言うよりも、これこそサイケポップスの代表曲だと思います。
 それはガヤガヤとした街のざわめき、通称ストリートノイズと呼ばれる効果音で始まり、哀しくも美しいニッキー・ホプキンスのピアノが全体を支配していますし、後にレッド・ツェッペリンで活躍するジョン・ポール・ジョーンズがアレンジしたというストリングス&ホーンに彩られていますが、その実態は紛うことなきストーンズ流の力強いフォークロックです
 特にチャーリー・ワッツのドラムスが熱血ですねぇ。ミック・ジャガーのボーカルも良い味♪
 しかし中盤からの美しいストリングスが後半になって偏執狂的な不協和音に変化していくあたりが一筋縄ではいかないところ! ポップで風変わりなコーラスも強烈です。
 ちなみにステレオとモノラルの両バージョンにおける違いは特にありませんが、このアルバムバージョンの他にシングルバージョンとか編集バージョン等々、幾つかの異なるバージョンがありますので、要注意! それについては追々述べてまいりますが、とりあえず、このバージョンの主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
Through The Past, Darkly (US LP version) = 1986年リマスターのCD
More Hot Rocks = 1987年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

The Lantern
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 既に先行シングルとして発表されていた曲ですが、前曲終了後、間髪を入れずに始まるところが最高の気持ちよさ♪ そして、ここでステレオバージョンが初登場となり、それはイントロの鐘が2回というのがの特徴です。ちなみにモノラル仕様のシングル盤及びアルバムに収録されたものは、鐘が3回になっています。
 また1989年に発売された「Single Collection」には何故か、鐘の音が2回で、しかもステレオ感の狭いニューミックスのステレオバージョンが使われました。主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
ランターン / イン・アナザー・ランド (キング TOP-1262 = JP 7"Single)
新ステレオバージョン / new stereo-mix
Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
In Another Land / The Latern (London 907 = US 7"Single)
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)
Single Collection - The London Years = 2002年リマスターのCD

Gomper
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
 東洋趣味に彩られた穏やかな曲調が混濁していく展開に、当時のサイケデリックの真骨頂が表現されています。というか、そういうインドやオリエンタル風味のフリージャズロックが、サイケデリックを端的に表現する手段として、些か安易な使われ方をしていたと思うのが、今となっての感想です。
 ここでの濃密な演奏部分は、ギター、シタール、オルガン、フルート、そして各種打楽器……等々を駆使したブライアン・ジョーンズの一人舞台! ミック・ジャガーの気だるいボーカルとの相性も徹底されています。
 しかしこんなものは、ブルースを愛し続けたブライアン・ジョーンズにとって、意味を成さないものだったと言われています。それでも諸問題から、既にグループ内ではリーダーの役割を果せなくなっていた本人としては、こうしたサウンドプロデュースと演奏面でしか自己の存在をアピール出来なかったのでしょうか……。個人的にはブライアン・ジョーンズの苦渋が滲み出た演奏のように感じられ、聴く度に気が滅入ってしまいます。
 さて、気になるモノラルとステレオのバージョン違いについては、多重録音の面白さとして各種楽器のズレが散見され、特にオルガンはステレオバージョンでのズレが目立ちます。主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)

2000 Light Years From Home / 2000光年のかなたに
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年6-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 サイケロックとプログレの中間のような、当にこの時期でなければ出来なかった素晴らしい曲です。もちろん幽玄と力強さのバランスが絶妙のコントラストになっており、その原動力は、ここでもブライアン・ジョーンズが弾くメロトロン♪ またキース・リチャーズとブライアン・ジョーンズのギターのコンビネーションも流石だと思います。
 演奏の展開としては、前曲のフェードアウトを巧に利用してのフェードインから、スペーシーなフリージャズのパートがあり、一転してキャッチーなギターのリフに導かれた幻想的なメロディのボーカルパートが、なかなか魅力的です。力強いドラムスとノイジーなギター&ベースで生み出されるハードロックなビート感も良いですねぇ〜♪
 このアルバムでは影の薄いキース・リチャーズも気に入った演奏とかで、なんと1989年の巡業では演目入りし、公式ライブバージョンも残されています。
 ちなみに、このスタジオ録音バージョンにおけるモノラルとステレオの違いは特に感じません。主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
Through The Past, Darkly (Decca SLK5019 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Through The Past, Darkly (London NPS3 = US Compilatino 12"LP:stereo)
Through The Past, Darkly = CD
More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
More Hot Rocks = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)
She's A Rainbow / 2000 Light Years From Home (London 906 = US 7"Single)
Single Collection - The London Years = CD
Singles 1965 - 1967 = CD

On With The Show
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年7-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 トータルアルバムとしての幕切れを告げる最後の曲とあって、色々な効果音がダビングされ、様々に彩られた、ちょっと懐かしい味も漂うあたりは確信犯でしょうか?
 さらに電気的に処理されたミック・ジャガーのボーカルやカリプソ風味の演奏、さらにジャズっぽいピアノ等々、凝りに凝った部分は些か饒舌でもありますが、アルバムを通して聴けば、やはりこれ以外のラストは有りえない、納得の名曲・名演だと思います。
 ちなみにアナログ盤は、A・B面の区切り以外は切れ目の無い曲構成でLP片面が流れていく展開が、なかなか心地良いサイケデリックの世界を堪能させてくれます。今日では「らしくない」として敬遠気味のアルバムになっていますが、セックス・ドラッグ・ロックンロールを体現したストーンズでしか作りえなかったサイケロックの名盤として、ぜひとも楽しんでいただきたいと思います。1967年の空気が見事に真空パックされていますよ♪ もちろんCDでは全篇がみっちりと繋がっています。
 そしてモノラルとステレオのバージョン違いは特に無いと感じますが、この曲の主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXS103 = UK 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request (London NPS2 = US 12"LP:stereo)
Their Satanic Majesties Request = CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Their Satanic Majesties Request (Decca TXL103 = UK 12"LP:mono)
Their Satanic Majesties Request (London NP2 = US 12"LP:mono)


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」

(2007.03.21 敬称略・続く)