the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1967 part 73

■She's A Rainbow / 2000 Light Years From Home (London 906:mono = US)
発売日:1967年12月23日(米)
発売日:1968年2月20日(日)= キング TOP-1240
 アメリカ優先で発売されたシングル盤は、もろろん両面共に「サタニック・マジェスティーズ」からのカットですが、A面曲にはちょっとした編集が施されています。
 しかし注目すべきは、そのカタログ番号で、同じ条件でこれより前に発売されていた「In Another Land / The Latern」が「907」でしたから、これはどういう訳でしょう?
 実はこのシングルにはプロモーション盤が存在しており、カタログ番号は同じく「906」で、アルバム発売前の11月中頃にはアメリカで配付されていたらしいのです。しかし何らかの理由で発売順序が逆になったのだと推察しております。
 ちなみにそのプロモーション盤に収録されたバージョンは、両曲ともに編集されています。残念ながら私はその現物を持っていませんが、海賊盤では聴くことが可能です。
 さて、この事例からも明らかなように、当時のストーンズはマネージメントのゴタゴタとグループ内の人間関係が錯綜を極めていたようです。
 特にブライアン・ジョーンズは悪いクスリによる健康問題とか恋愛問題やグループの行末に対する心労から心身共にダウン状態……。加えて5月には「麻薬不法所持罪」で逮捕され、裁判中でした。これについては「Part 5」を参照願いたいのですが、同罪で逮捕・起訴されたミック・ジャガーとキース・リチャーズには結果的に寛大な判決が下されたのに対し、ブライアン・ジョーンズについては、世論を考慮した厳しい対処が予想されていた様です。
 こうした中で行われていたレコーディングは、時代を反映してサイケデリックな演奏が求められ、その過程でブライアン・ジョーンズが大活躍していたのは既に述べたとおりですが、一方、キース・リチャーズの存在感が薄くなっていったのも、また事実だと思います。
 一応、曲作りに関しては、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作がメインとはいえ、歌詞の内容は「ボタンの間に」の頃から、特にミック・ジャガーのプライベートな部分を強く感じさせるものに変化していきましたし、失礼ながら演奏部分にしてもキース・リチャーズがこなせる部分は極度に減少していたと感じています。
 つまりそのあたりから、ストーンズのリーダーシップはミック・ジャガーに移ってしまったのが、この時期ではないでしょうか? 全くの私見ですが、「サタニック・マジェスティーズ」はミック・ジャガー色の濃い作品だと思います。そして何かが足りないと感じるのは、ブライアン・ジョーンズやキース・リチャーズがこよなく愛していたブルースやロックンロールのエッセンスでしょう。なにしろ2人とも本領を発揮出来ないのですから、これは何の不思議も無いところでは!?
 ちなみにこの時期、裁判関係で謹慎を余儀なくされていたキース・リチャーズは、レコーディングでもあまり出番がなかったのでしょう、自宅ではアメリカ巡業の際に買い溜めていた黒人ブルースのレコードを聴いて、あれこれ独学していたようです。そしてこれが、ストーンズの次なるステップに繋がるのですが……。

She's A Rainbow (single version) : original mono-mix
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:The Rolling Stones with Glyn Jones
録音:1967年1-9月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p), John Paul Jones (arr)
 アルバムバージョンの最初にあった通称ストリートノイズをカットしてあります。もちろんオリジナルはモノラル仕様なので要注意! 何故かと言えば、後にアルバム収録されたものは、ほとんどがステレオ仕様になっているからです。
 気になるヒット状況は、アメリカのチャートで25位が最高でした。
 アメリカ盤シングル以外の主な収録は以下のとおりです。
●Single Collection - The London Years = CD
●Singles 1965 - 1967 = CD

※She's A Rainbow / 2000 Light Years From Home (London 45-LON-906:mono = US)
 既に述べたように、このシングル盤にはアメリカだけのプロモーションディスクが出されており、資料によれば両面ともに独自の編集バージョンになっているようです。
 ただし私は現物を所有しておらず、海賊盤で聴いただけですので……。

She's A Rainbow (promo edit version) : original mono-mix
 資料によれば、最初のコーラスの後から間奏を含めた部分がカットされているそうです。
 ところが、海賊盤に収録された演奏には確認しただけで2種類の編集バージョンがあり、他にまだまだ有ると言われています。もしかすると海賊盤業者が、未発表テイクをプロモーションバージョンと表示したのかもしれませんが……。
 ちなみにステレオ仕様の未完成編集バージョンも幾つか存在しているようです。

2000 Light Years From Home (promo edit version) : original mono-mix
 これも資料によれば、イントロやエンディングが編集カットされて2分近く短くなっているようです。私は未聴なので、ここまでしか言えません。


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」
参考文献:「Collector's File / Wilfried Stember著」
参考文献:「ストーンピープル / ローリング・ストーンズ・ファンクラブ編」

(2007.03.27 敬称略・続く)