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作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年3-4月、ロンドンのオリンピックスタジオ
発売された当時、中学生だった私の人生を大きく狂わせた悪魔の名曲! 聴く者全てを狂熱地獄へと誘うギターリフはロック永遠の輝きを象徴していますが、その前の初っ端に炸裂するツ〜ン、ツ〜ンというオープンコードによるギターの響きが、実はキモではないかと思います。
そしてブ〜ン、ブ〜ンと唸るビル・ワイマンのベース、小刻みなリズムギターとチャーリー・ワッツのドラムスのコンビネーションが、これまで聴いたことのないリズム的興奮を作り出し、そこへミック・ジャガーが史上最強の「ワン、ツー」という掛声! ここまでのお膳立てがあって、ようやく始まるのが、あのリフなんですねぇ〜♪ 全く周到としか言えません。
ちなみに問題のリフは、ビル・ワイマンが自分で作ったと主張し続けて今日に至っています。
まあ、それはそれとして、演奏は幾層にも重ねられたギター、執拗なマラカスのリズム、中間部やラストコーラスでのサイケ風味、そしてそれを増幅するサックスやオルガンの隠し味……等々、そういうものがバンド全体の突進力として見事に集約されていますが、これは新たに参加したアメリカ人プロデューサーであるジミー・ミラーの手腕によるところが大きいと感じます。
この人は本職がドラマーだった所為か、リズムアプローチがとても鋭敏で、ストーンズと邂逅する以前にはスペンサー・デイビス・グループやトラフィックといった有名バンドを成功に導いたのも、そこを基本にしていたようです。
で、ここでは既に述べたように、初っ端に鳴り響くツ〜ン、ツ〜ンというオープンコードによるギターがリズムのウラから入るというか、半拍喰って始まるようなビート感が、おそらくジミー・ミラーの指示によるものだと推察しています。それはキース・リチャーズの意図を体現したものでしょうか、とにかく今日まで続くストーンズならではの必殺技になったのです。
もちろん、この時期の彼等は名盤「ベガーズ・バンケット」として結実するレコーディングの真っ最中で、この曲もその中のひとつとして録音されたのですが、そのあまりの出来の良さに急遽シングル盤として発売されたものです。ただし、この時代、LPは既にステレオ仕様がメインになっていたものの、シングル盤はまだまだモノラル仕様が一般的ということで、この曲もオリジナルはモノラルバージョン! 主な収録は以下のとおりです。
●Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
●Single Collection - The London Years = 2002年リマスターのCD
●Singles 1968 - 1971 = CD
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