the rolling stones song chornicled
転石音盤史
1968 part 33

■Beggars Banquet (Decca SKL4955:stereo / LK4955:mono ) = UK
■Beggars Banquet (London PS539:stereo / LL3539:mono) = US
発売日:1968年12月8日(英)
発売日:1968年12月9日(米)
発売日:1969年2月(日)= 直輸入盤
A-1 Sympathy For The Devil
A-2 No Expectations
A-3 Dear Doctor
A-4 Prachute Woman
A-5 Jig-Saw Puzzle
B-1 Street Fighting Man (album version)
B-2 Prodigal Son
B-3 Stray Cat Blues
B-4 Factory Girl
B-5 Salt Of The Earth
 ストーンズのと言うよりも、これまたロックの代表的名盤です。
 その内容は、サイケデリックの迷い道からルーツであるブルースに立ち返り……云々と発売当時から解説され続けておりますが、もちろんそこにはストーンズだけの内部事情がありました。それはブライアン・ジョーンズの不調と当時のロック界の新しい潮流だと思います。
 今日の歴史では、この当時のロックはサイケデリックの大ブームを受けて二極分化していました。ひとつはビートルズの「サージェントペパーズ」を頂点としたサイケポップの作りこんだ世界であり、もうひとつがジャズの影響下にある長いアドリブをライブで聞かせる世界です。そして前者ではピンク・フロイドやムーディ・ブルースといった所謂プログレ系のバンドが大ブレイク! また後者ではジミヘンやクリーム、グレイトフル・デッドやドアーズあたりがその代表でしょうか、スタジオで作られたレコードとは似て非なるライブ演奏が絶大な人気を集めていたのです。
 で、肝心のストーンズは、ブライアン・ジョーンズが居なければ、そのどちらも成し得ない立場に追い込まれていました。またそれはストーンズばかりでなく、それまでに一世を風靡したほとんどのバンドが置き去りにされる世界だったのです。
 しかし、ここに暁光が射します。
 それはボブ・ディランが1967年12月末に発売した「ジョン・ウェズリー・ハーディング:John Wesley Harding(Columbia CS9604)」というアルバムです。これはそれまでのフォークロックから一転し、アコースティックでありながら力強いロックビートを伴った、今日で言うカントリーロックの先駆けという内容でした。また翌年初頭からは、ボブ・ディランがこのアルバムを製作する直前のデモ音源を入れたアセテート盤が出回るのです。それは後に「グレイト・ホワイト・ワンダー」という海賊盤となり、今日では「ベースメント・テープス:The Basement Tapes(Columbia C2-33682)」というタイトルで公式アルバム化されていますが、そこでボブ・ディランのバックを務めたホークスが、ザ・バンドと名乗って1968年7月に発売した「ミュージック・フロム・ビッグピンク:Music From Big Pink(Capitol SKAO2955)」というアルバムも要注意! その内容はアメリカや欧州のルーツ音楽、つまりブルースやジャズやフォーク、カントリーやR&B、その他の少数民族の伝承歌あたりまでもゴッタ煮状態で取り込んだ音楽が詰め込まれていたのです。
 もちろんそれは下積みが長かったザ・バンドが長年のドサ回りで培った音楽性の表れでしょうが、当初は一般的な評価よりも業界に与えた衝撃が大きく、長いアドリブも作り物の世界も否定するミュージシャンにとっては、渡りに船という按配だったのではないでしょうか。
 つまり次なるトレンドとして業界に認識されたルーツ指向のロックに、自分達の存在意義を重ね合わせたストーンズが、嗅覚鋭く食いついて作られたのが、このアルバムと言っては、言葉が過ぎるでしょうか?
 とにかく1968年3月から本格的に始まったレコーディングセッションは7月に完了しています。ところがトイレの落書きをジャケ写に使ったアルバムデザインがレコード会社側から猛反撥され、結局、発売が半年近く遅れるというトラブルに!
 しかし今思うと、それはそれで良かったと思います。というのは、その間に発売され、大きな評判となったルーツ回帰のロック系アルバム、例えば前述の「ミュージック・フロム・ビッグピンク / ザ・バンド」とか「トラフィック 2nd」、あるいはビートルズの通称「ホワイトアルバム」といった傑作群によって、ロックファンはサイケデリックの世界とは正反対のシンプルな音楽に目覚めており、そこに決定打として登場したのが、このアルバムというわけですから!
 このあたりは、ストーンズだけの後追い体質が如実に出たという、ストーンズにだけ許される美しき二番煎じとして、ファンに認識されるのです。前述のジャケット問題から、最終的にはビートルズの「ホワイト・アルバム」の後塵を拝したようなデザインに妥協したことも、吉と出ていると私は思います。ちなみに問題の「トイレの落書きジャケット」は、1980年代にようやく許可され、現在ではそれが一般的になってます(画像参照)が、やはり私は最初に出た「招待状」ジャケットに愛着があります。なにしろ日本では最初、直輸入盤に日本語帯を付けるという、前作「サタニック・マジェスティーズ」と同様の形で発売され、なんとオマケとしてミック・ジャガーへのインタビューを収録したソノシートがついていたという、今や貴重なコレクターズ・アイテム♪ タイトルどおりに退廃的な乱痴気騒ぎをやらかした中ジャケ写真も強烈です。
 肝心の中身は、生ギター&ピアノを主体に、シンプルで力強いノリやエスニック系のビートを取り入れる等々、ストーンズならではの屈折したドロドロ感がたまらない傑作曲・演奏がぎっしり♪
 実はそこに、誰よりもこういうサウンドを望んでいたブライアン・ジョーンズの存在が、極めて僅かという真相も恐いところです。そして正式なクレジットは無いものの、噂も含めて多彩なゲストが参加しています。
 また時代は既に、アルバムではステレオ仕様が一般的となっていた所為でしょうか、一応モノラル盤も発売されていますが、ミックスやバランスの違いはほとんどありません。
 ただしCD化されたものは大きな問題があります!
 まず1984年にイギリスで先行リマスターされたものは、アナログ盤に比べて、若干ですが演奏スピートが遅くなっています。また2002年にリマスターされたものは、それとは逆にピッチが高く、つまり演奏スピートが早いという異常事態です。
 この点についてのメーカー側はコメントは――
 オリジナルマスターテープからカッティングマスターを製作する時のテープコピーに使った機材で、コピー側のテープレコーダーが早い速度で回っていたために、それを正しい速度で再生すると本来よりも遅く聞こえてしまった。
――と、まあ、とんでもない事態が30年以上、放置されていたわけですが、こんな事にストーンズ側が気づかないはずが無く、それでも良しとしていたのですから罪深い話だと思います。したがってアナログ盤時代から聴いてシビレたファンにとっては、2002年リマスターの現行最新CDには違和感がたっぷりでしょうし、これまでの年月を思えば、それはすでにオリジナルでは無いと断じます。そこでどうしてもCD鑑賞しかないならば、1986年に米国アブコ社でリマスターされた、所謂旧盤CDを手放してはなりません!

Sympathy For The Devil / 悪魔を憐れむ歌
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p), Rocky Dijon (per), Marianne Faithful & Anita Pallenberg (vo)
 ミック・ジャガーは「サンバ」とステージでも紹介していますが、これは「アフロロック」の大傑作! しかも、その混濁した原始のビートで歌われる詩の内容が「神」「キリスト」「ロシア革命」「ケネディ一家暗殺」等々、歴史と世相と宗教観を悪魔的自嘲でゴッタ煮にしてあるんですから、強烈です。
 このあたりの感覚については、もちろんミック・ジャガー色が濃いと思われますが、アフロ系エスニックビートの導入は、当時頻繁にアフリカを訪れていたブライアン・ジョーンズの企てでしょうか……?
 しかしこのセッション時のブライアン・ジョーンズは諸問題で明らかに精彩が無く、それはこの曲の録音現場を記録した「One Plus One」というジャン・リュック・ゴダール監督の映画に包み隠さず残されています。そこにはミック・ジャガーが中心となって曲を完成させていく様が興味深く写されており、各々が演奏をクリエイトしていくメンバーの中にあって、ただ芒洋とギターをいじっているブライアン・ジョーンズの姿は哀れ……。
 実際、その場に存在する意義は、ただフィルム撮影の為だけという雰囲気が……。
 しかし初めて聴いた時はショックでしたねぇ、なんだっ! この土人のダンス音楽はっ? ドンドコドンドコ唸る打楽器! そしてギューンと入ってブッツリ切れるエレキギターは、当時、およそポップスではありませんでした。
 つまり、リアルタイムの認識では、ストーンは単なるポップスバンドだったんですよ。でもこのアルバムを出して、ロックバンドになったんだ! それを象徴するのが、この曲だと思います。
 気になるモノラルとステレオのバージョン違いについては、まずモノラルバージョンの方が演奏スピードが速くなっています。しかしエンディングが、やや長めなので、結果的に演奏時間はほとんど変わりありません。またイントロとエンディングにおけるミック・ジャガーの唸り声の雰囲気や打楽器類のミックスが、両バージョンで明らかに違っています
 ちなみに当時、この曲は日本独自でシングル盤(キングTOP-1357)が発売されましたが、それにはステレオバージョンが使われています(画像参照)。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1886年リマスターのCD
悪魔を憐れむ歌 / 放蕩息子 (キング TOP-1357 = JP 7"Single)
Gimme Shelter (Decca SKL5101 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
Hot Rocks = 1886年リマスターのCD
Hot Rocks 2 = 1985年リマスターのUK盤CD
Hot Rocks 2 = 1986年リマスターの日本盤CD
Honky Tonk Women / Sympathy For The Devil (Decca F13635 = UK 7"Single)
Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

No Expectations
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年3-4月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 イギリス以外の国では既にシングル盤B曲として発表されていましたが、ここではステレオバージョンが初登場となりました。ただしモノラルバージョンと特に変わった点は無いようです。
 う〜ん、それにしてもブライアン・ジョーンズのスライドギターは素晴らしいですねぇ。その人の哀しい末路を知っているだけに、これが最後の名演になる事が一層、せつなくなってしまいます。
 「もう、ここには、二度と来ないよ……」という歌詞と歌の内容が、あまりにも当時のブライアン・ジョーンズに重なり過ぎて、涙がボロボロこぼれます。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
More Hot Rocks (London PS262/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
More Hot Rocks = 1987年リマスターのCD
More Hot Rocks 1 = 1988年リマスターのUK盤CD
More Hot Rocks 1 = 1989年リマスターの日本盤CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4995 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL3539 = US 12"LP:mono)
ストリート・ファイティング・マン / ノー・エクスペクテーションズ
●●●●●●●●●●●●●●●●●● (キング TOP-1320 = JP 7"Single)
Dear Doctor
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 ワルツのリズムで作られたストーンズ流のカントリーブルースで、徹底した生楽器主義で押し通した演奏、つまり元祖アンプラグド! しかもドラムスの代わりにタンバリンを使い、コーラスはカントリー&ウェスタン調なのがミソです。チープなピアノの音色やシミジミ系のハーモニカ、もっさりしたビル・ワイマンのベースも良い味♪
 ただしリアルタイムの洋楽界は、まだまだギンギンのエレクリック・ブルースとかニューロックが主流でしたから、最初に聴いたときは完全に???でした。しかし今日では、私の生活に無くてはならない名曲・名演になっています。
 ステレオとモノラルの両バージョンにおける違いは特に感じません。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Prachute Woman
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
 如何にもストーンズ流のブルースロック! グイノリのビートは本当に見事ですし、エレキギターよりも目立つアコースティックのリズムギターが全てを決定していると思います。
 歌詞の内容も当然エグ味が強く、「パラシュート娘、俺の上に降下してくれ、ニューオリンズで勃起して、キャロラインで射精する」とか「おしゃぶり、お願い」とか、遠慮の無いセックス描写は、ブルースの常道である比喩を軽く飛越えていますから、あぁ、こんなのライブじゃ出来ないだろうなぁ……、と思っていたら、リアルタイムでは1968年に製作され、結局は幻となったテレビショウフィルム「Rock And Roll Circus」で、ちゃ〜んとやっていたんですねぇ〜♪ こんな露骨な歌をお茶の間に届けようとしていたなんて、流石、ストーンズです!
 ちなみにモノラルとステレオの両バージョンにおける違いは特に感じません。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Jig-Saw Puzzle
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年3-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Ian Stewart or Nicky Hopkins (p)
 初っ端から唸りをあげるブライアン・ジョーンズのスライドギターが強烈! 蠢くビル・ワイマンのベース、土台をつくるピアノと生ギターも実に印象的です。そして終盤の盛り上がりに向けて熱が入っていくミック・ジャガーのボーカルも最高ですねぇ。これがストーンズのロックです♪
 ただ、それにしても左チャンネルから聞こえるメロトロン系のサイケな音も気になりますが、これはブライアン・ジョーンズの仕業でしょうか?
 まあ、それはそれとして、思えばストーンズほどデビュー期からスライドギターをバッチリ使っていた白人バンドは稀でした。なにしろ1960年代のポップス〜ロックでのギターソロは、ほとんどが単音弾きでしたし、それはエリック・クラプトンとかジミ・ヘンのような天才ギタリストさえも同様です。もちろん黒人ブルースの世界ではスライドギターは常套手段でしたが、リアルタイムの1960年代に黒人ブルースを聴いていた白人や日本人がどれだけいたでしょう。もちろん私も、当時は黒人ブルースなんて聴いたことはありませんでしたが、ストーンズを本格的に聴き始めた私には、ギューンと唸るスライドギターが麻薬的な快楽をもたらしていた事を、ここに告白しておきます。
 ちなみにスライドギターがロックの世界で一般化するのは1970年代からでしょう。夭逝したデュアン・オールマンを筆頭にミック・テイラー、ジョージ・ハリスン、ジェレミー・スペンサー、ライ・クーダー、ローウェル・ジョージ等々の名人ギタリストが活躍して以降の事だと思います。
 閑話休題。モノラルとステレオの両バージョンにおける違いは特に感じません。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Street Fighting Man (album version)
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年3-4月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p), Dave Mason (g)
 この曲も既にシングル盤A面曲として発表されていましたが、ここに収録されたバージョンはボーカル部分が全く異なっています。そして演奏、つまりカラオケ部分も同一と言われておりますが、個人的には??? ちょっと答が出せません。
 ちなみにモノラルバージョンはイントロのギターが、少〜し右よりという妙なステレオ感が有りますが、曲が進むにつれて完全モノラルになっていくミックスです。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
Through The Past, Darkly (Decca SKL5019 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Through The Past, Darkly (UK LP version) = 1987年リマスターの日本盤CD
Through The Past, Darkly (London NPS3 = US Compilatino 12"LP:stereo)
Through The Past, Darkly (US LP version) = 2002年リマスターのCD
Gimme Shelter (Decca SKL5101 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
Hot Rocks (London PS606/7 = US Compilatino 12"LP x 2)
Hot Rocks = 1986年リマスターのアメリカ盤CD
Hot Rocks 2 = 1985年リマスターのUK盤CD
Hot Rocks 2 = 1986年リマスターの日本盤CD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)
Through The Past, Darkly (Decca LK5019 = UK Compilatino 12"LP:mono)
Through The Past, Darkly (US LP version) = 1986年リマスターのCD
Single Collection - The London Years = 1989年リマスターのCD

Prodigal Son / 放蕩むすこ
作者:Mick Jagger & Keith Richards → Robert Wilkins
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
 1920年代から活動していた黒人ブルース歌手のロバート・ウィルスキンズのオリジナル曲ながら、アルバム発売時にはストーンズのオリジナルとされていました。このあたりの盗作騒ぎは著作権登録に絡むマネージメントの不手際なんでしょうが、その原曲は宗教的な寓話も含む25コーラス近い長い歌で、ストーンズのバージョンは、その抜粋です。
 もちろんここでは原曲の雰囲気を大切にしたカバーで、キース・リチャーズの生ギターをバックに、ミック・ジャガーが幾分、不明瞭な歌い方をしているのが印象的です。演奏部分も他にはハーモニカとタンバリンが控えめに使われているだけなので、ステレオバージョンもモノラルとほとんど同じミックスになっています。
 ちなみに、楽しく、悲しく、そしてイナタク演奏されるこの曲は、1970年代前半の日本ではフォークブームと重なって、いろんな人がステージがカバーしていましたが、もちろんそれは、このストーンズ・バージョンが手本にされました。私も一時、演奏したことがあるほど、密かに流行していましたですね。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
悪魔を憐れむ歌 / 放蕩息子 (キング TOP-1357 = JP 7"Single)
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Stray Cat Blues
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年3-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Ian Stewart or Nicky Hopkins (p)
 ストーンズ流儀のブルースロックと言えば、この曲です。最初から最後まで、全くエレキでドロドロな演奏で、ブライアン・ジョーンズとキース・リチャーズのギターの絡みが上手くいった時の凄みが全開しています。ストーンズだけのビート感に溢れたノリが実に良いんですねぇ〜♪
 ちなみに1969年の北米巡業では定番の演目でしたが、そこでは新加入したミック・テイラーの流麗なギターワーク故に、ちょっと印象が変わっています。まあ、どちらも素晴らしいのですが、個人的にはオリジナルのスタジオバージョンが好きです。
 また歌詞の内容にはロリ系の危ないものが含まれていますが、前述の北米巡業では、オリジナルの15歳を13歳の変えて歌うという、ミック・ジャガーのエグイ姿勢がさらに浮彫りです。
 それと、またまたパクリというか、ハードフォークロックの有名バンド=ヴェルヴェット・アンダーグラウンド:Velvet Underground の「Heroin」という曲にイントロからの雰囲気がそっくりなのは有名! これはミック・ジャガー本人も認めているところです。あぁ、この居直り!
 そして恐らく、モノラルバージョンはステレオバージョンを単純にモノラル化したものでしょう。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
Milestones (Decca SKL5098 = UK Compilatino 12"LP:stereo)
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Factory Girl
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Dave Mason (mandolin), Rick Grech (violin)
 英国風フォークカントリーとでも申しましょうか、生ギターで演奏されるアイリッシュモードをマンドリン、バイオリンで彩っているのがミソ! このあたりの感覚は、助っ人参加したデイブ・メイソンのアイディアと言われておりますが、ストーンズはそこへシタールやタブラというインド系楽器まで持ち込んで、ゴッタ煮感覚を強く打ち出しています。
 とは言っても、けっしてドロドロした曲ではなく、労働者階級の終りなき日常と哀愁を感じさせるシンプルな歌詞と演奏は見事に一体化♪ 個人的には、かなり好きな歌です。
 ステレオとモノラルの両バージョンにおける違いは特に感じません。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)

Salt Of The Earth / 地の塩
作者:Mick Jagger & Keith Richards
製作:Jimmy Miller
録音:1968年5-6月、ロンドンのオリンピックスタジオ
共演:Nicky Hopkins (p)
 傑作アルバムのラストを飾るに相応しい、ストーンズ流ゴスペルロック! 生ギターとエレキギターのコントラスト、力強いドラムスとピアノ、そして山場で加わってくる黒人女性コーラス! 最初に歌い出すキース・リチャーズのボーカルも、さり気無いシミジミ感があって良い感じ♪
 そしてグイグイ盛り上げていくストーンズのシンプルなノリの良さ! 大団円に向けてテンポを上げていく演奏には、完全にストーンズだけのビート感が出ていると思います。後年の名盤「メインストリートのならず者」を先取りした名曲・名演でしょう。あぁ、元祖スワンプロック!
 この曲もステレオとモノラルの両バージョンにおける違いは特に無いようです。
 主な収録は以下のとおりです。
ステレオバージョン / original stereo-mix
Beggars Banquet (Decca SKL4955 = UK 12"LP:stereo)
Beggars Banquet (London PS539 = US 12"LP:stereo)
Beggars Banquet = 1986年リマスターのCD
モノラルバージョン / original mono-mix
Beggars Banquet (Decca LK4955 = UK 12"LP:mono)
Beggars Banquet (London LL539 = US 12"LP:mono)


参考文献:「ローリング・ストーズ・クロニクル / マッシモ・ボナンノ著」
参考文献:「ノット・フェイド・アウェイ / ジェフリー・ジュリアーノ著」
参考文献:「Das Weissbuch / Dieter Hoffmann著」
参考文献:「Collector's File / Wilfried Stember著」

(2007.05.27 敬称略・続く)