ザ・ビートルズ/アメリカ盤の謎

 さて、物語もいよいよ中盤となり、憎むべき敵の「ビッグノヴァ」は、ますます悪辣な陰謀を企みますが、しかしサイケおやじとしては「ストラダ5」チーム内の人間関係が大いに気になるところです。またストーリー展開に絶妙の「泣き」が強く入ってくるのも、この中盤の特色でしょうか――

第5話:暗殺コンピューターをぶちこわせ!(昭和49年5月3日)
監督:小原宏裕
脚本:安藤豊弘
ゲスト:有馬昌彦(工作員・東京ナンバー5)、山口哲也 他
 今回は第3話で開発されたイメージビジョンの小型版が完成し、さっそくメンバーに支給されるのですが、なぜかこの事件では役立っていません。
 で、本筋は天才科学者の本堂兄弟が発明した頭脳コントロール装置を狙う「ビッグノヴァ」の陰謀が描かれており、それを察知した「ストラダ5」が活躍するという展開です。そしてメインになるのが、些か暑苦しい兄弟愛なんですが、これには当時としても泥くさい演出が散見されます。
 挙句に本堂兄弟が様々な武器を仕込んだ金属製の義手を持つ改造人間にされ、「ストラダ5」に襲いかかるのは、やはり特撮物に要求されるSF趣味でしょう。衣装も独裁政権の将軍のようなミリタリー調ですから、はっきり言えば子供だましっぽいのですが、それはもちろん少年向けに作られていますから、あたりまえだのクラッカーですね。
 ただし物語のクライマックスで本堂兄弟を陥れる悲劇的な罠は、悲しいですね……。
 気になる美味しい場面も、今回は特にありませんでした。
 しかし劇伴サントラが秀逸で、ハードボイルドなモダンジャズやグルーヴィなオルガンインスト等々、相当にカッコイイです♪

第6話:ハネムーン作戦でぶちあたれ!(昭和49年5月10日)
監督:林功
脚本:山浦弘靖
ゲスト:二條朱美(工作員・東京ナンバー6)
■ゲスト:小泉郁之助、長弘 他
 さてさて、このエピソードが曲者というか、いくら犯罪捜査のためとはいえ、「ストラダ5」のチーム内では微妙な関係になっている岡崎徹と山科ゆりが、なんと偽装結婚でハネムーンに出るという、いやはやなんともの発端が凄いですねぇ〜〜♪ いや、これは決してサイケおやじばかりの感想ではないはずです。なにしろ、ちゃ〜んと教会で式まで挙げているのですから!
 ここは宍戸錠が神父役で、厳かに犯罪捜査を命令するのも味わい深いところでしょう。背後に並んだメンバーの中では、小野進也の複雑な表情も印象的!
 で、肝心の任務は、我が国で密かに開発された特殊な毒ガスの奪回! その取引が箱根の某ホテルで行われるというので、2人は新婚カップルを装っての潜入捜査というわけですが、う〜ん……。
 このあたりは最初、ギクシャクしていた岡崎徹と不貞腐れていた山科ゆりが、ホテルに到着するとちゃっかりと腕を組んで、まんざらでもない様子が微笑ましく、当然、同じ部屋に宿泊するんですねぇ♪ しかも敵方の取引が翌朝に行われるという事は、ふっふっふっ♪
 こうして朝を迎えた2人は、もちろん本来の任務として毒ガスの取引現場を急襲し、首尾よく所期の目的を達成しますが、「ビッグノヴァ」の追撃から激しい銃撃戦とカーアクションも最高です。
 ちなみに今回の悪役のリーダーはゲストの二條朱美で、この人も成人映画〜ロマンポルノで大活躍していた熟女系のスタアですから、ここでの怖さと憎たらしさは最高! 山科ゆりとリアルなキャットファイトでは、なかなかエグイ事をやらかしていますよ♪ もちろん山科ゆりも例の衣装でパンツ見せの大熱演ですし、追撃された車からのガンアクションもなかなかイケてます♪
 しかし結局は岡崎徹が撃たれて車も破損したことから、2人は荒野を歩いて必死の逃走……。深手を負った岡崎徹を懸命に助ける山科ゆりの悲痛な演技が、実にたまりません。
 もちろん岡崎徹は自分をその場に置いて、任務を遂行するように山科ゆりを説得するのですが、彼女は泣きそうになってそれを拒否! まあ人情として、気持ちはわかりますが、非情な仕事を請け負っている立場としては些か甘いというのが、美しい「お約束」です。
 当然ながら、このエピソードの最初で「犬猿の仲」とお互いに認め合っていた2人は、しかし実際には微妙な男女関係になっていたという流れが、「ストラダ5」というドラマ全篇の重要なプロットになっていました。そして今回の任務では偽装とはいえ、新婚カップルとして同じ部屋に宿泊したのですから、若い2人の間には何があっても不自然ではありません。その至極当たり前の感情が、如何にも物語的なミエミエの展開で最高だと思います。
 ですから山科ゆりは、泣きながら岡崎徹をその場に残して任務を続行しますが、この時、岡崎徹が彼女の胸に飾ってある薔薇の花を欲するのは、あまりにもキザ! あぁ、如何にも日活モードというか、こういうベタな演出は本当に大切ですね。
 そして山科ゆりが、その場に戻ってきてしまうのも「お約束」でしょう。ここで何時もはコードネームのペガサスと呼んでいた岡崎徹に対して、「貫介さん……」と悲痛に呼びかける彼女は素晴らしい限り! もうここまでの流れにベッドシーンとか、モロになセクシー場面を入れたら、完全にロマンポルノになってしまう雰囲気です。逆に言えば、ロマンポルノが如何に物語性を大切にしていたかという証明にもなっているのですが、それにしても、たまりませんねぇ〜〜♪
 さらにここでは、二條朱美と「ビッグノヴァ」の手下達がその2人を発見し、襲撃するのが当然の流れですが、「ごめんなさい、せっかくのラブシーンの邪魔をして♪♪〜♪」と嬉しそうな表情と台詞回しの彼女が憎たらしい限り!
 物語全体を通してのハイライト的なエピソードとして、存分にお楽しみくださいませ。

第7話:呪いのダイヤを撃て!(昭和49年5月17日)
監督:林功
脚本:高久進
ゲスト:黒木進(譲次)、和田恵利子(理絵子) 他
 何時もは派手に悪事を遂行する「ビッグノヴァ」ですが、今回は精巧な人造ダイヤを日本に流通させ、犯罪資金を捻出すると同時に経済の混乱を企みます。そしてミスター・アスモディの正体を追う有名ジャーナリストが爆殺されたことから、「ストラダ5」が乗り出すのですが……。
 劇中ではその現場にいながら命拾いをして記憶を失った秘書の理絵子=和田恵理子が、実行犯の妹だったというのがミソになっています。なにしろ記憶を失っているのですから、まあ、ご都合主義とはいえ、泥くさい物語展開は「お約束」でしょう。
 そして事件の解決にはルナ=小野進也が大活躍! 得意のカーアクションやハードボイルドな演技が冴えまくりですから、物語の最後には彼女と良い雰囲気になるのですが……♪ ここは観てのお楽しみと致します。
 ちなみに今回は宍戸錠が登場せず、地井武男がリーダーとなっています。
 気になる山科ゆりは、クライマックスの戦闘シーンで強烈なひざ蹴りとパンツ見せ

第8話:札束に手を出すな!(昭和49年5月17日)
監督:遠藤三郎
脚本:藤浦敦
ゲスト:大泉滉(宝石商)、丹古母鬼馬二(印刷工) 他
 メインゲストの顔ぶれからして、今回はオトボケ調が強くなっていますが、いろいろと凝った演出も嬉しい仕上がりになっています。
 大筋となる「ビッグノヴァ」の犯罪計画は偽札作りで、誘拐されて仕事をやらされるのが大泉滉と丹古母鬼馬二の2人なんですから、笑いとトホホは当たり前でしょう。なにしろ冒頭からデート中の山科ゆりと剛達人を相手に笑いをとってしまう大泉滉の至芸が楽しめますよ。またここで山科ゆりの強烈な一言も凄いオチになっていますから、剛達人も思わず苦笑い!
 しかし全体の演出には工夫が凝らされ、「ストラダ5」の面々が変装を使ったり、瞬時にバトルスーツを着用する場面も特撮が楽しく使われています。もちろんアクションシーンも迫力がありますよ。
 ただし、何故か山科ゆりのバトルスーツがノースリーブから長袖に変更されたのは、ちょっと減点ながら、それは撮影時期が真冬という事情でしょう。なにしろロマンポルノ大スタアですからねぇ、彼女は。なにかあったら大変というわけですが、ミニスカアクションは大サービスですから、ご安心下さい。
 ちなみに監督の遠藤三郎は日活ではテレビ作品を数多く演出した後、ロマンポルノでの「団地妻・忘れ得ぬ夜(昭和47年・宮下順子主演)」がデビュー作! その後も良い作品を撮っていますが、何故か今日まで低評価なのが不思議なところ……。
 また脚本の藤浦敦もロマンポルノでは「蛸と赤貝(昭和49年・小川節子主演)」等を監督する軽妙洒脱な作風で有名♪ 特に十八番の「海女物」は最高ですから要注意です。もちろんそうした手腕はこのエピソードでも存分に発揮されているのでした。

2008.07.27 敬称略・続く)